世間で盛り上がる賃上げニュースの陰で、給与明細を見るたびに落胆するビジネスパーソンが絶えません。日々現場を支えるベテラン世代ほど「据え置き」の現実に直面するのはなぜなのか。最新データから浮かび上がる残酷な二極化の実態を見ていきます。
「俺の給料、いつ上がるんだ?」<48歳・中堅サラリーマン>、給与明細を開くたびに絶句する「2年連続賃上げゼロ」の残酷な現実 ※写真はイメージです/PIXTA

凍結企業の3割超を襲う「2年連続スルー」という絶望

さらに深刻なのは、この「賃上げ凍結」を決めた企業に勤める人々を襲う、もう一つのデータです。

 

今年「賃金改定を行わなかった(凍結した)」企業の理由(事由)を調査したところ、なんとそのうちの36.5%が「昨年(令和7年)も賃金改定を実施していないし、今年も実施しない予定」と回答しているのです。

 

つまり、賃上げを見送られた企業の3割超において、「2年連続で1円も基本給が上がっていない」という絶望的な状況が発生しているのです。

 

この「2年連続スルー」の割合は、業界(産業)によってさらに悲惨なことになっています。

 

生活関連サービス業、娯楽業:47.4%

サービス業(他に分類されないもの):47.2%

学術研究、専門・技術サービス業:37.5%

卸売業、小売業:36.5%

製造業:35.8%

 

医療・福祉などを除く主要な業界の多くで、賃上げを見送られた企業の「3割以上~半数近く」が、2年連続で労働者の基本給を完全に据え置いています。さらに驚くべきことに、全体のごく一部(0.5%)ではあるものの、「賃下げ」を実施した企業もあり、その引き下げ率は平均で▲11.9%という大幅な減給となっています。

 

物価だけがどんどん上がっていく現代において、「2年連続で基本給が据え置かれている」というのは、実質的には生活水準が数%以上も引き下げられている「大減給」に他なりません。

 

今日もまた、スマートフォンで給与明細の画面を静かに閉じる中本浩一さん。

 

「世間のニュースで流れる景気の良い話と、自分の手元にある現実があまりにもかけ離れすぎている……」

 

データが示す通り、「世間で賃上げが進んでいる」からといって、自分の給料が自動的に上がるわけではありません。身を置いている企業や業界の構造によって、「給料がどんどん上がる人」と「2年連続で1円も上がらず、実質手取りが減り続ける人」の格差は、開く一方です。

 

「俺の給料、いつ上がるんだ?」

 

勤め先が「2年連続スルー」の側にあるのなら、これ以上「いつか会社が業績を上げて給料を増やしてくれるかも」と期待し続けるのは、大切な40代・50代の「時間と資産」を捨てているようなもの。これからの時代、家族を守り、老後資金を確実に形成するためには、自ら動き出さなければならないといえそうです。