※写真はイメージです/PIXTA
凍結企業の3割超を襲う「2年連続スルー」という絶望
さらに深刻なのは、この「賃上げ凍結」を決めた企業に勤める人々を襲う、もう一つのデータです。
今年「賃金改定を行わなかった(凍結した)」企業の理由(事由)を調査したところ、なんとそのうちの36.5%が「昨年(令和7年)も賃金改定を実施していないし、今年も実施しない予定」と回答しているのです。
つまり、賃上げを見送られた企業の3割超において、「2年連続で1円も基本給が上がっていない」という絶望的な状況が発生しているのです。
この「2年連続スルー」の割合は、業界(産業)によってさらに悲惨なことになっています。
生活関連サービス業、娯楽業:47.4%
サービス業(他に分類されないもの):47.2%
学術研究、専門・技術サービス業:37.5%
卸売業、小売業:36.5%
製造業:35.8%
医療・福祉などを除く主要な業界の多くで、賃上げを見送られた企業の「3割以上~半数近く」が、2年連続で労働者の基本給を完全に据え置いています。さらに驚くべきことに、全体のごく一部(0.5%)ではあるものの、「賃下げ」を実施した企業もあり、その引き下げ率は平均で▲11.9%という大幅な減給となっています。
物価だけがどんどん上がっていく現代において、「2年連続で基本給が据え置かれている」というのは、実質的には生活水準が数%以上も引き下げられている「大減給」に他なりません。
今日もまた、スマートフォンで給与明細の画面を静かに閉じる中本浩一さん。
「世間のニュースで流れる景気の良い話と、自分の手元にある現実があまりにもかけ離れすぎている……」
データが示す通り、「世間で賃上げが進んでいる」からといって、自分の給料が自動的に上がるわけではありません。身を置いている企業や業界の構造によって、「給料がどんどん上がる人」と「2年連続で1円も上がらず、実質手取りが減り続ける人」の格差は、開く一方です。
「俺の給料、いつ上がるんだ?」
勤め先が「2年連続スルー」の側にあるのなら、これ以上「いつか会社が業績を上げて給料を増やしてくれるかも」と期待し続けるのは、大切な40代・50代の「時間と資産」を捨てているようなもの。これからの時代、家族を守り、老後資金を確実に形成するためには、自ら動き出さなければならないといえそうです。