文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査結果」によると、世帯年収1,200万円以上の家庭における子どもの「学校外活動費」は、年収400万円〜599万円の家庭の2.5倍以上にのぼります。親の経済力が、子どもが日常の外で得られる「体験の差」に直結するという現実があるなか、将来の学費のために日々のレジャーを我慢して切り詰める家庭も少なくありません。本記事では、夏休みに小2の娘が放った“無邪気なひと言”に胸をざわつかせる、世帯年収500万円・30代夫婦の苦悩とは。
「うちはうち」と言い聞かせ…世帯年収500万円・30代夫婦の苦悩。夏休み中盤、34歳パート主婦の胸をざわつかせた〈小2娘の無邪気なひと言〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

親の年収が「子どもの体験」の差につながる実態

文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査結果」によると、親の世帯年収と子どもの「学校外活動費(レジャーや習い事など)」には相関関係が見られます。

 

世帯年収400万円〜599万円の家庭における小学校の子どもの年間学校外活動費は平均21.9万円ですが、世帯年収1,200万円以上の家庭では55.0万円と、2.5倍以上の開きがあるのです。親の経済力によって、子どもが日常の外で得られる「体験」に差が生じている現実がデータからも浮かび上がります。

 

「高いお金を払って遠出をしなくても、近所のプールで遊べば十分。ずっとそう信じていたんです」

 

カナコさん(仮名・34歳)は、同い年の夫と小学2年生の娘・サクラちゃん(仮名)と埼玉県内で暮らしています。夫の年収は約400万円、カナコさんのパート収入が約100万円で、世帯年収はおよそ500万円です。

 

昨今の物価高で家計に余裕はなく、夏休みに入ってから、カナコさんは毎朝お弁当を作り、入場料が安い市民プールや無料で遊べる公園へ娘を連れていきました。無邪気に笑う娘の姿に「お金をかけなくても素敵な思い出は作れる」と確信していました。

 

しかし、その自信は夏休みも中盤に差し掛かったある日、もろくも崩れ去ります。

「ママ、メイちゃんはグアムに…」胸をざわつかせた〈小2娘の無邪気なひと言〉

その日、近所の公園で友達と遊んで帰ってきた娘が、もらったばかりの可愛い貝殻のキーホルダーを大事そうに見つめながら何気なく呟きました。

 

「ママ、メイちゃんね、家族でグアムに行ってきたんだって。お土産もくれたの! 私もいつか行ってみたいなぁ」

 

娘の瞳に親を責める色はなく、ただ友達の華やかな体験への純粋な憧れが浮かんでいました。しかし、その悪気のない言葉は、カナコさんの胸をざわつかせました。