(※写真はイメージです/PIXTA)
届いたLINEの裏側
LINEを受け取った翌日、和子さんは急いで自宅へ戻りました。その日は病院へ行く予定で外出していました。
玄関を開けると、いつもと違う様子に気づきました。リビングの机の上に、見慣れない書類が置かれていました。不動産会社の封筒でした。中には、自宅の売却査定に関する書類が入っていました。
さらに、息子の部屋からは金融機関への相談資料も見つかりました。内容を確認すると、実家を利用した資金調達について調べていたことが分かりました。
自宅の土地と建物の評価額は約1,800万円。隆志さんは、その資産をもとに借入や売却を検討していたようでした。もちろん、和子さんには何も説明がありません。
「私の家なのに、私に何の相談もなかったんです」
所有者は和子さんです。しかし、息子は長年住んでいる実家を、自分の資産のように扱っていました。和子さんが問いただすと、隆志さんはこう話しました。
「この家を持っていても意味がないだろ。売れば生活を立て直せる」
「俺だって、このまま親に頼る生活はしたくないんだ」
隆志さんが考えていたのは、家を売却して得た資金で生活を立て直すことでした。しかし、そこには母親の老後資金や住まいの問題が含まれていました。和子さんは、自宅を手放すつもりはありませんでした。
「ここを売ったら、私はどこで暮らせばいいの」
そう聞くと、隆志さんは黙ったままでした。現在、和子さんは一人で今後を考えています。
息子との同居を続けるのか。別居を求めるのか――。
簡単な答えは出ていません。弁護士への相談も検討していますが、その費用も気になります。年金月15万円の生活では、大きな出費は負担になります。
和子さんのように、親が高齢になっても子どもの生活を支え続ける家庭では、金銭面だけでなく、住まいや財産管理の問題も発生します。
「息子が苦しんでいるなら助けたいと思っていた。裏切られた気持ちでいっぱいです」