現役時代に税金と同じ感覚で払い続けた、公的年金の保険料。退職後に年金を受け取り始めたら、今度は課税。二重の負担感を感じる人も多いのではないでしょうか?
「私の仕事を奪う気ですか?」月収65万円・37歳課長が絶望。月収40万円・49歳ベテラン社員の〈陰湿なサボタージュ〉…3週間のタスク遅延の末に放たれた“衝撃の言い訳” (※写真はイメージです/PIXTA)

ベテラン社員の悲痛な本音

これ以上の猶予はないと判断したAさんは、Bさんを個室の会議室に呼び出しました。遅延の理由をロジカルに問い詰め、一刻も早いタスクの完了を迫るAさん。重苦しい沈黙のあと、Bさんは深くうつむいたまま、絞り出すように衝撃の言葉を放ちました。

 

「……あなたは、私の仕事を奪う気ですか?」

 

突然の問いかけに、Aさんはびっくりしてしまいました。「効率化して楽にするためだ」と反論しようとするAさんを遮り、Bさんは声を荒らげます。

 

「私は、決められた規則やマニュアルに沿って、定型的に淡々と、安定して仕事をするのが好きなんです。そうしているときが一番心が落ち着きますし、少しずつですが自分のなかで知識や経験が増えていくのが楽しかった。それなのに、これからは『そのような仕事はAIが代替できるから不要だ』といわれる。私にとっては本当に辛いんです」

 

一人の社員としての悲痛な叫びでした。

 

「実際、ここ数年で仕事内容はどんどん変わっていて、私も必死になって食らいついていっています。ですが、本当に苦しい。業務が効率化されて、より高度な対応を求められるようになりましたが、だからといって私の給料が上がったかといえば、ほぼ変わっていません。AIの開発をしている方々は『人類がより豊かになる』といいますが、その豊かになれる人類のなかに、自分は含まれていないんだろうなと思ってしまいます……」

 

Bさんは止まりませんでした。

 

「『これからはAIを駆使することで、より楽に効率的に仕事ができるようになる』という人もいます。でも、私はそのAIが肩代わりして、補助してくれるはずの『マニュアルどおりの定型業務』の部分が、なにより好きだし性に合っていたんです。スマホがまだ普及していなかったころの技術水準で、私は十分に幸せでした。いまは5年、10年単位で時代の変化を感じますが、そんなに短期的に変わらないでほしい。とにかく、環境の変化の速さが苦痛で仕方がないんです。私にはただ受け入れるしかないのは、わかっているのですが……」

仕事を代替されるリスクとお金の守り方

Bさんがどれほど現在の定型業務に愛着を持ち、業務の遅延という形で抵抗を示したとしても、その役割が近い将来、AIをはじめとするテクノロジーに代替されていく流れは避けられない側面があります。なぜなら、Aさんが推進するプロジェクトの最終的な目的は、単に現場を楽にすることだけでなく、企業の人件費の圧縮や組織の適正化に直結しているケースが多いからです。

 

企業が大きな投資をしてシステムを導入する背景には、シビアなコスト削減の論理が存在します。これまで当たり前だった業務が不要とみなされれば、それに伴って雇用の調整や配置転換、減給といった影響が現場におよぶ可能性は否定できません。

 

また、いまある雇用や、Bさんのような月収40万円という給与水準などの現状が、いつまで続くかもわからない不透明さがあります。時代の変化のスピードが加速するなかで、昨日までの平穏な環境が明日も同じように維持される保証はない、というのが現実といえるでしょう。

 

では、このように仕事が置き換わるリスクを前にしたとき、自身の生活や大切なお金をどう守っていくべきなのでしょうか。

 

まずは、「いまの環境や待遇がこの先も変わらず続くとは限らない」という現実を受け止めることが大切な一歩となります。「変化が苦痛だ」と感じるのは人間としてごく自然な感情ですが、立ち止まっているあいだにも、自分自身のスキルの市場価値が相対的に下がってしまうリスクがあるためです。

 

具体的には、ただ変化を拒むのではなく、少しずつでも「AIを活用する側」へと視野を広げたり、感情の機微を伴う高度な対人交渉など「人間の強みが生きる領域」へ自らシフトしたりしていく姿勢が求められます。自分の稼ぐ力を時代のニーズに合わせてアップデートしていくことが、結果として長期的な雇用を守ることにつながるはずです。

 

さらに、万が一の収入減少や雇用の流動化に備え、生活コストを見直し、資産運用を取り入れるなど、会社の給与だけに依存しない財源の土台を意識しておくことも、これからの時代を生き抜くアプローチとなります。

 

技術の進歩は、時に個人の意思とは関係なく、これまでの常識を塗り替えてしまいます。変化の先にもまた大きな変化が待ち受ける時代だからこそ、現実を直視し、自らのスキルとお金の守り方を見直していくことが求められているのかもしれません。

 

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