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お金・人間関係…データで見る「人生の充実度」
金融庁の調査によれば、2025年12月末時点でのNISA(現行制度)の口座数は約2,825万口座にのぼり、非課税制度を活用した資産形成は若年層にも広く定着しています。将来の不安に備えて資産形成に励むこと自体は堅実ですが、その裏で、投資資金を捻出するために「現在」の生活を極端に切り詰め、結果として人間関係や経験の機会を失ってしまう若者の「NISA貧乏」が近年問題視されています。
実際に、内閣府の「満足度・生活の質に関する調査報告書(令和7年)」において、「充実した人生を送れているか」に影響する要素を分析したデータを見ると、「家計と資産」がもたらす影響度(回帰係数0.167)に対し、「交友関係やコミュニティなど社会とのつながり」もそれに近い影響度(回帰係数0.136)を持っています。さらに「日々の生活の楽しさ・面白さ」にいたっては、「家計と資産」の2.5倍以上(回帰係数0.424)の影響度を持っていることが具体的な数値として示されています。
未来の自由を手に入れるための資産形成に偏るあまり、20代のいましか築けない人間関係や経験への自己投資を絶ってしまうと、結果的に孤独や後悔を生む恐れがあります。
これから紹介するのは、まさに「FIRE(経済的自立・早期リタイア)」を目指して手取りの半分以上を新NISAに注ぎ込み、一切の交友関係を断ち切った結果、孤独感に苛まれることになった20代若手社員の事例です。
毎月15万円を新NISAへ…手取り月22万円・実家暮らし24歳の「FIRE計画」
「実家暮らしの最大のメリットは、生活費を極限まで抑えて投資に回せることです。親には感謝しています」
都内のIT企業に入社して3年目のリュウマさん(仮名・24歳)は、神奈川県の実家から1時間かけて通勤しています。現在の毎月の手取りは約22万円で、家には毎月3万円を入れています。そして、残ったお金のうち15万円を「新NISA」で積み立て投資に回しています。
若手社員であるリュウマさんが、給料の半分以上を投資に回しているのは、SNSで「新NISAの非課税枠を若いうちから活用すれば、FIREが狙える」という内容の解説を見たことがきっかけでした。
「僕たちが老人になるころには、年金がまともにもらえる保証なんてありませんよね」と、リュウマさんは将来への不安を口にします。若いうちから複利の力を味方につければ老後は安泰だと信じ、実家暮らしで家計に余裕があるいまのうちに、やれるだけの投資をしておきたいと考えているそうです。
「よく『20代のうちは経験に投資しろ』という投稿も散見されますが、そんな不確実なものに期待はできません」
昼食は実家から持参したおにぎりと水筒のみ。会社の自動販売機でコーヒーを買うことすら「浪費」とみなす。職場の先輩や同期からのランチの誘いもすべて断るという、リュウマさんの節約生活は徹底されています。
