(※写真はイメージです/PIXTA)
「少しだけ」のはずだった娘との同居…気づけば3年
「食費だけで毎月8万円くらい増えているんです。でも、お金の話をすると娘は不機嫌になるので……」
そう話すのは、東京都内で暮らす佐藤和雄さん(74歳・仮名)。和雄さんと妻の美代子さん(72歳・仮名)は、数年前まで夫婦2人で暮らしていました。
会社員として働いた和雄さんは65歳で退職。現在の収入は夫婦の公的年金が月25万円、手取りで21万円ほど。住宅ローンは完済しており、派手な生活はしないものの、年金収入の範囲で穏やかな老後を送っていました。
状況が変わったのは3年前でした。当時41歳だった長女の由佳さん(仮名)が、小学生の息子を連れて実家へ戻ってきたのです。
「離婚して住むところが見つかるまで、少しだけ置いてほしい」
そう頼まれ、和雄さん夫婦は受け入れました。
「娘も大変な時期だったので断れませんでした。数ヵ月くらいだろうと思っていました」
しかし、その「少しだけ」は3年を超え、由佳さんは現在も実家で暮らしています。パート勤務はしていますが、生活費を家に入れることはほとんどありません。
「最初の頃に2万円もらったことはあります。でも、それ以降は『お金がない』の一点張りです」
家計への影響は徐々に大きくなりました。まず増えたのは食費です。夫婦2人だった頃は月4万円台で収まっていましたが、娘と孫が加わってからは毎月12万円前後になりました。
「孫は育ち盛りですし、娘も家で食べますからね。食費だけで月8万円くらい増えています」
さらに光熱費、水道代、日用品代も上昇しました。それでも和雄さんは、娘が家事を担ってくれるなら仕方がないと考えていました。ところが実際には違いました。
「夕飯を作るのは妻です。洗濯も掃除もほとんど妻がやっています」
美代子さんは70代に入ってから膝を痛めています。それでも孫の弁当作りや洗濯を引き受ける日が少なくありません。
「仕事で疲れているんですかね……頼めばやるんですが、自分からは動きません」
和雄さんが生活費の負担について話そうとすると、由佳さんは決まって不機嫌になります。
「親なんだから助けてくれてもいいでしょ」
そう言われると、それ以上は何も言えなくなるといいます。