(※写真はイメージです/PIXTA)
実家の異変を感じるも、父は笑顔のまま
子どもと妻と一緒に久しぶりに訪れた実家は、どこか殺風景で生活感が薄れているように感じられました。以前は、亡くなった母が好きで集めていた置物や、父が長年大切にしていた趣味のコレクションが部屋に並んでいたはずでした。
「物が増えても大変だから、断捨離して全部処分したんだよ」
そう話す父・ヒデオさん(72歳)の言葉に、その場は納得したサトルさん。しかし、お茶を飲もうと冷蔵庫を開けた際、あまりの食材の少なさに胸騒ぎを覚えます。
サトルさんが「一人での暮らしはどう? お金に困っていない?」と尋ねると、ヒデオさんは「年金で月に17万円ほど入るから、十分暮らせているよ」と笑顔で答えました。地方の持ち家暮らしであれば、不自由なく生活できる金額のはずです。サトルさんも一時は安心したものの、その直後に決定的な「異変」を目撃することになります。
父の通帳残高に衝撃
父の書斎に、何気なく父親の預金通帳が置かれているのが目に入りました。勝手に見るのは気が引けたものの、胸のざわつきを抑えきれず通帳を開いたサトルさんは、印字された数字を見て思わず崩れ落ちます。
残高欄に並んでいたのは、わずか数百円。
記帳内容を確認すると、2ヵ月に一度の年金振込日に25万円(毎月約12.5万円分)を引き出す規則正しいやりくりが行われていました。しかし、ある時期の履歴を見て衝撃を受けます。
「なんで1,000万円も引き出してるんだ……」
サトルさんは無断で通帳を見たことを詫びつつ、「この大金はどこへ行ったの?」とヒデオさんを問い詰めました。
最初こそ「最近は物価高だから生活費がかさんで……」と言い逃れをしようとしたヒデオさんでしたが、辻褄が合わない追及に根負けし、重い口を開きました。