「何のために働いているのだろう」と、ふと呆然としてしまう瞬間はありませんか? 収入アップ、仕事の成果、人付き合い、そして充実したプライベート。真面目な人ほど、これらすべてを「もっと良くしなければ」と100点満点を目指して追いかけ、自らを追い詰めてしまいがちです。本記事では、佐野創太氏の著書『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)より、事例を交えながら、人間関係に「30%の余白」を作るメリットを明かします。
収入が増えても「お金が減る恐怖」から1日も休めなかった“限界フリーランス男性”が一転…減っていく通帳の数字を見て「むしろ喜べる」ようになったワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

ギスギスした家族関係が劇的にラクになった理由

人間関係も70%で考えてみましょう。人間関係は築いたり、増やしたりすることに価値が置かれます。でも、「100%大事だ」と考えすぎると、それはしがらみになります。義理を気にしすぎて本当はやりたいことができなかったり、人の目を気にしすぎて助けを求められなかったりします。

 

たとえば私の場合、独立したばかりのころは、「父のような経営者になりたい」「母のように家庭を守りたい」、この2つの思いを抱いていました。

 

しかし結局、その思いが「家族を支えているのは自分」という思い込みに変わり、あるときはえらそうに、あるときは苦しそうに振る舞ってしまったのです。そんな状態を、隣にいる妻の表情から気づき、「家族をつくっているのは自分だけではない」と反省しました。

 

そこで考え方を次のように70%にしてみました。「一家の大黒柱は1人ではない。3人いる」この考え方に変えてから、妻に相談したり、子どもに謝ったりできるようになりました。今も「家族を守る」という意識はありますが、無理に100%抱え込むのではなく、家族に任せられる部分を残すようになりました。

 

人間関係もお金や仕事と同じで、すべてを完璧に「100%」を目指すのではなく、30%ほど余白がある70%くらいでちょうどいいです。考え方を変えるのに遅すぎることはありません。すべてを自分で背負って100%にしようとすると、コントロールできない部分まで抱え込んでしまいます。

 

だからまず「自分が責任を持てるのは全体の70%くらいまで」と線を引き、残り30%は任せたり頼ったりして余白として残す。すると同時に、「今の自分にできることが30%くらいはある」と捉え直せて、具体的な行動に落とし込みやすくなります。

 

人間関係に悩んだとき、相手ありきのことなので、自分ではどうにもできないような苦しみを感じることもあると思います。ただ、その苦しみに対して、自分がどうにかできる範囲が30%くらいはあると思ってみると、気持ちがラクになり、「まだできることがある」と前向きに行動できるようになります。

 

 

佐野 創太

「退職学(R)」研究家/メルマガ「キャリアの休憩室」編集長

 

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