転職が当たり前の現代。転職経験者の中には、「色々な仕事を経験してきたけれど、仕事に一貫性がなくて将来が不安」「自分には武器と言える専門性がない気がする」と悩む人も……。実は、「職種名」という枠組みに囚われていると、自分のキャリアの本質を見失ってしまいます。本記事では、佐野創太氏の著書『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)より、バラバラに見える経歴の根底にある一貫性を見つけ出し、これまでのキャリアを自信へと変える方法を解説します。
営業、デザイン、ディレクター…「履歴書に一貫性がない」と悩む大転職時代の落とし穴。「たった一つ」発想を転換しただけで、本当の強みに目覚めた理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

職種がバラバラ、専門性がなく、不安を抱えるキャリア

キャリア相談でよくある悩みのひとつに、「仕事に一貫性がない」があります。たとえばHさんの場合、次のようなキャリアに、職種がバラバラで、専門性がないと感じ、不安を抱えていました。

 

●最初の4年:営業

●次の5年:デザイナー

●現在:Webディレクター3年目

●来期:プランナー部署への異動予定

 

しかし、ここで大事なのは、職種名に振り回されないことです。職種名だって、70%で考えていいのです。

 

たとえば、「事業開発」という名がついた職種。何か新しいことを始めたり生み出したりするクリエイティブな響きを感じます。しかし、「実際は営業の仕事だった」なんてことは、よくある話です。「提案型営業」と名づけると採用で人が集まりづらいから「事業開発」と名づけている……など、職種名には会社の都合が組み込まれているからです。

 

職種名は企業ごとにバラバラで、定義も曖昧です。つまり、職種名はフィクションです。だから、これを基準にすると、キャリアが揺らぎ、不安になるのも当然です。職種名なんてものに、あなたの可能性やこれまでの苦労を縛られないでください。

 

では、ノンフィクションの部分はどこにあるでしょうか。それが職務です。「職務」は、「誰に、どんな価値を届けるか」で定義されます

 

Hさんの場合、職種は変わっても、一貫して「女性に安心を届ける役割」を仕事にしていました。このように、職務の視点で経歴を見ると、バラバラに見えた経験にも一貫性があることがわかります。Hさんは「女性に安心を届ける仕事なら何でもできる」という専門性を自覚することができました。

 

職種名はあくまで目安です。「職務」という視点でキャリアを捉えれば、職種名や仕事内容がよく変わっていたとしても、自分の経験の根底で共通していることがわかります。そして、実際に自分がどんな価値を届けたか、つまり「職務」を見つける視点を持つだけで、「キャリアに一貫性がない」という不安がぐっと減ります。