(※写真はイメージです/PIXTA)
年収1,000万円世帯を追い詰める「固定費上昇」と給与減の現実
国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、1戸あたりの月設定額の平均は管理費が1万2,242円、修繕積立金が1万2,152円。平成30年度調査では管理費が1万871円、修繕積立金が1万1,243円であったため、管理費は約12.6%、修繕積立金は約8.1%上昇しており、合計額は5年で2,280円増額となっています。
特に修繕積立金については、同省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」において、建物の高層化や複雑化に伴い、将来的に増額となる可能性が示されています。
こうした維持費の増加が「月2万円」であっても家計を圧迫する背景には、実質的な給与減があります。厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、最新2026年2月の実質賃金は2カ月連続のプラス。4月以降についてもプラス圏で推移すると予想されていますが、中東情勢に起因する光熱費の値上げなど、不安材料ばかりが先行しています。2022年以降、実質賃金の減少が続いてきたことを考えると、実際に給与増を実感できるのは、まだ先の話になりそうです。
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査」によると、1世帯当たりの平均所得金額は536.0万円、児童のいる世帯は820.5万円です。生活意識が「苦しい」と回答した世帯は58.9%、児童のいる世帯に限定すると64.3%にのぼっています。
「家賃がもったいない」という資産形成への動機が、インフレ局面における家計の弾力性を奪い、わずかな固定費の変動で生活が窮するリスクを浮き彫りにしています。「資産になる」という言葉の裏側にある「所有し続けるリスク」を無視した代償は、年収1,000万円というステータスをも、容易に突き崩してしまうのです。
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