総務省の調査で過去最多となる40万件超を記録した「移住相談」。しかし、移住後に地域特有のルールや濃密な人間関係に馴染めず、孤立してUターンするケースも決して珍しくはありません。家賃2万円という安さに惹かれて移住したケンタさん(仮名・33歳)もその一人です。最初は地方でのスローライフに期待を寄せていましたが、実際に住んで数ヵ月が経つと、徐々に違和感を覚えるように……。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「もう無理、限界…」地域との“価値観のズレ”に悩み、都市部へUターン
草刈りだけでなく、季節ごとの祭りや町内行事への参加も求められました。そして、「寄付金」や「協賛金」という名目で徴収されるお金もあり、計算してみると年間で数万円の出費に。
浮いた家賃分が、そのまま地域の付き合いや罰金に消えていく状況に、ケンタさんは理不尽さを覚え始めました。
「地方移住ではご近所付き合いが大切だと、ネットでも調べたからわかっていた。でも、プライベートの時間をこんなに差し出さないといけないなんて……」
休日のたびに地域の行事に参加し、「仕事で忙しい」と断れば「都会育ちは冷たいね」と返され、次第にケンタさんの心をすり減らしていきました。
「思っていた生活と違う……。もう無理、限界だ……」
結局、ケンタさんはその地域特有の人間関係に耐えきれず、都市部へUターンすることを決断しました。家賃の安さというメリットだけを見て、そこに住む人々の暮らし方やルールを確認しなかったことを、後悔しているそうです。