十分な蓄えと年金を受け取り、悠々自適なセカンドライフを歩むはずだった定年世代が「家族への過度な支援」に頭を悩ませる――。ある男性のケースから、家計の根幹を揺るがす「孫出費」のリスクについてみていきます。
孫の「また明日ね。」が、これほど怖いとは…〈退職金3,200万円〉〈年金月28万円〉定年サラリーマンを追い詰める「孫出費」の正体 ※写真はイメージです/PIXTA

資産を維持するために不可欠な「孫関連支出」のルール化

内閣府『令和6年度 高齢社会対策総合調査』によると、「同居、別居にかかわらず、子、孫(それぞれの配偶者あるいはパートナーを含む)の生活費を負担していますか」という問いに対し、「ほとんど負担している」が6.6%、「一部を負担している」が18.6%でした。

 

つまり、高齢者の4分の1が、多かれ少なかれ子や孫の生活費を負担していることになります。

 

また別の設問で「家計が苦しく、非常に心配である」と回答した人の47.4%が「子や孫の生活費は負担していない」と回答しました。これを逆から見れば、「どんなに家計が苦しく心配でも、子や孫のためならお金を出す」という高齢者が多い実態を示しています。

 

ソニー生命保険株式会社『シニアの生活意識調査2025』によると、直近1年間の孫消費の平均額は11万3,074円。1カ月あたり9,400円ほどです。これにはお年玉や入学祝いといった一時的な支出だけでなく、日々の食費や消耗品費も含まれます。

 

「この程度か」と感じる人も多いかもしれませんが、居住地がどれほどの距離にあるかによって、支出額は大きく変動することが前出の内閣府の調査からも想像できます。

 

渡辺さん夫婦のように、スープの冷めない距離に住み、「母親に代わって孫を育てている」といっても過言ではない状況では、出費が平均を大きく上回るのは必然といえるでしょう。

 

しかし、シニア世代が自身の生活を犠牲にして支援を継続することは、将来的な「共倒れ」を招く危険を孕んでいます。老後資金は自分たちの介護や医療に備えるためのものであることを再認識し、援助可能な金額の上限を具体的に設定すること。それが、親子双方の経済的自立を促す一歩となります。

 

[参考資料]

ソニー生命保険株式会社『シニアの生活意識調査2025』

 

 

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