(※写真はイメージです/PIXTA)
熟年離婚のきっかけになる役割分担の歪み
厚生労働省『令和6年(2024年)人口動態統計月報年計』によると、2024年の離婚件数は約18万5895件(前年比増)で、このうち同居期間20年以上の「熟年離婚」は約4万件と、全体の約2割を占めています。定年という人生の節目は、子どもの独立なども重なり、お互いにそれぞれの道へ、と決断しやすいタイミングなのでしょう。
さらに高橋さんのケースでは、現役時代の家庭内における役割分担の歪みが、長期間にわたって蓄積され、我慢の限界に達するという事態に陥りました。厚生労働省『2022(令和4)年 国民生活基礎調査』によると、主な介護者が「同居」している割合は45.9%。さらに、同居している主な介護者の性別をみると、女性が62.1%、男性が37.9%と、依然として女性が担い手となる割合が圧倒的に高い実態が浮き彫りとなっています。また、同居の介護者のうち「配偶者」が22.9%と最も多く、次いで「子」が16.2%、「子の配偶者」が5.2%となっており、親族、とりわけ「妻」や「嫁」という立場に介護の重責が集中しやすい構造は変わっていません。
明治安田生命が2025年に発表した「いい夫婦の日」に関するアンケート調査によると、夫婦円満のために必要なこと(複数回答)として、トップは「よく会話をすること」(49.3%)、「感謝の気持ちを伝える」(33.5%)が続きます。逆にいえば、会話もなく感謝もない状態は、夫婦として危険水域にあるといえます。
介護を「嫁の役割」として当然視し、「任せるよ」と無関心に映った健太郎さんの振る舞いは、妻・幸子さんにとって絶望的な孤立感を生んだでしょう。その積み重ねが、単に定年というタイミングで顕在化しただけなのかもしれません。
「私は離婚届に判を押すつもりはありません」と語る健太郎さん。何とか夫婦関係の修復を図ろうとしていますが、その道のりはあまりにも険しいようです。
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