(※画像はイメージです/PIXTA)
援助を断った途端、潮が引くように離れていった
その日を境に、息子一家からの連絡は途絶えました。
以前は週に何度もあった「ばあば、今度遊びに来て」という孫からのLINE。それも、嫁が孫に書かせて送らせていたものだったと、あとになって気づきました。連絡をしてくるのは、決まってお金を無心する前だったのです。
孫の運動会にも、誕生日にも、声がかからなくなりました。修学旅行のお土産を持ってくるという話もありません。母Kさんから連絡しても既読スルーです。あれほど「ばあば、ばあば」とくっついてくれた5人の孫からの連絡はありません。
「結局、私はお財布だったのね」誰もいない部屋で母Kさんはそうつぶやきましたが、涙は出ませんでした。心のどこかで、ずっと前から気づいていたことだったからです。
それから半年が経ったころ、息子Rさんから久しぶりにLINEが届きました。
「6人目、生まれた。女の子」
たったそれだけでした。写真も、名前も、いつ生まれたのかも書かれていない。母Kさんが「おめでとう、会いにいってもいい?」と返信しても、既読がつくだけで返事はありませんでした。
初めての女の子の孫。男の子ばかりだった息子夫婦がどれほど喜んでいるのか、どんな顔をしているのか、なにもわかりません。かつてなら真っ先に駆けつけ、ベビー服を何着も買い揃えていたはずでした。
テーブルの上に置いたスマートフォンを、母Kさんはしばらく見つめていました。画面はもう暗くなっています。
「6人目にして待望の女の子だったのね」母Kさんはまたひとりでつぶやきました。
長岡理知
長岡FP事務所
代表
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