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若年層のNISA活用の裏で希薄化する「社会的なつながり」
2024年の「新NISA制度」の開始以降、若年層の資産形成への意識はかつてないほど高まっています。
金融庁が発表した「NISAの利用状況の推移(令和7年12月末時点・速報値)」によると、NISAの総口座数は約2,825万口座に達し、年間の新規買付額は約18.7兆円と過去最高水準を記録しました。なかでも、つみたて投資枠を利用した若年層の流入が目立っており、SNSなどのデジタルプラットフォームを通じた投資啓蒙が、資産形成のハードルを下げた一因となっているでしょう。
しかし、資産形成に熱心になるあまり、キャリア形成に不可欠な「社会的なつながり」を軽視してしまう傾向もデータから読み取れます。
内閣府の「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)」では、自身が孤独であると「しばしばある・常にある」と感じている人の割合が、20代で7.4%と全年代で最多、30代で6.0%に上ることが示されており、若年層が孤独感を抱えやすい実態が客観的な数値として表面化しています。
投資は複利の力で将来の資産を増やしますが、20代における資産は「自分自身の稼ぐ力」です。職場での信頼関係を構築し、チームで成果を上げる経験は、将来的な昇給やインセンティブといった「人的資本」の拡大に直結します。
若いころに稼いだお金を投資に回して資産形成をすることは重要ですが、収入増につながる可能性のある機会を損失するのは、データからも懸念されるポイントといえるでしょう。
NISAでコツコツと投資を続けるも、同期の仕事での活躍やプライベートでの充実を目にして、今の生活に疑問を感じてしまった20代男性の事例を見ていきましょう。