(※写真はイメージです/PIXTA)
空き家対策特別措置法の現実と生前整理の鉄則
佐藤さんのケースのように、維持費が親の資産で賄われていることで危機感が薄れ、実家が致命的な負債へと変貌するケースは珍しくありません。
総務省『令和5年住宅・土地統計調査』によると、全国の空き家数は約900万戸に達し、過去最多を更新しました。特に深刻なのは、賃貸や売却用ではない「その他の空き家」が約385万戸と、20年前の約1.8倍に増加している点です。背景には、2023年12月に施行された「改正空き家対策特別措置法」があります。この改正により、適切に管理されていない空き家が「管理不全空家」に指定され、自治体から勧告を受けると、固定資産税の優遇措置が解除されます。その結果、更地の場合と同様の税率が適用され、税負担が最大6倍に跳ね上がる法的リスクが現実のものとなっています。
また、民法第717条の「工作物責任」により、建物の不備で他人に損害を与えた場合、所有者は過失の有無にかかわらず賠償責任を負わなければなりません。
こうした事態を防ぐため、子世代ができる対策は、親が元気なうちに「実家の取り扱い」について正面から話し合うことに尽きます。「誰が管理するのか」「いつ手放すのか」を曖昧にせず、親の意思を確認しながら、将来的な売却や解体を含めた「実家じまい」の計画を立てる必要があります。
親が施設に入り、家が空いた瞬間から劣化は加速するもの。しっかりとした出口戦略が、家族全員の平穏を守ります。
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