賃上げ加速で「初任給26万円」時代へ。学歴差は依然として鮮明
厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、大卒新入社員の平均初任給は26万2,300円となりました。前年の24万8,300円から1万4,000円(5.6%)の大幅増となっており、深刻な人手不足を背景とした「初任給引き上げ」の動きが統計にもはっきりと表れています。
男女別にみると、男性が26万4,900円、女性が25万9,700円。全世代の男女間賃金格差(男=100)が76.6であるのに対し、新卒段階では98.0と、ほぼ差がない状態からスタートしています。
一方で、同じ「新卒」でも学歴による差は明確です。
●大学院卒:29万9,000円(前年比4.0%増)
●大学卒:26万2,300円(前年比5.6%増)
●高専・短大卒:23万5,500円(前年比5.2%増)
●専門学校卒:23万0,700円(前年比3.5%増)
●高校卒:20万7,300円(前年比5.0%増)
院卒と高卒では、社会人1年目の時点ですでに約9万円の月収差が生じています。さらに、”どこで働くか”によっても、初任給は大きく変わります。まず大卒新入社員の月収を企業規模別に比較します。
●大企業(1,000人以上):26万1,700円(前年比5.6%増)
●中企業(100~999人):24万0,500円(前年比5.0%増)
●小企業(10~99人):22万5,600円(前年比3.5%増)
大企業と小企業の差は約3.6万円です。この差は年齢を重ねるごとに拡大し、50代後半のピーク時には大企業52.9万円に対し、小企業43.2万円と、10万円近い開きになります。
業種別(男女計・全学歴含む新規学卒者)では、特定の産業で突出した数字が見られます。最も高い「鉱業、採石業、砂利採取業」と、最も低い郵便局や農協(JA)、森林組合などの「複合サービス事業」を比較すると、大学新卒の段階で月7万円もの差があります。これは将来の資産形成においても大きな格差になると考えられます。
最高:「鉱業、採石業、砂利採取業」30.9万円
最低:「複合サービス事業」23.6万円