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家と車だけ立派なご近所
「家と車だけが立派、でも生活は貧困レベルということか……」
地方は自動車が必需品という主張をSNSなどで多く見かけます。たしかに自動車がなければ買い物にも行けない場所に居を構えている人は多くいます。しかし、だからといって年収に見合った自動車関連費用に収め、住宅ローンを含めて年収の25%以内に収めようという意識が見られない人は問題でしょう。
「健全に家計を回すには、世帯年収が600万円の場合、自動車ローンと住宅ローンの返済は多くても月12万5,000円以内に抑える必要があるのですが……」とFP。
マネーリテラシーがあまり身についていないのかもしれません。生活費に使える費用が少なければ、子供の教育に使える金額は限られ、大学進学は奨学金頼りとなるでしょう。老後資金に備えた資産運用をする余裕もありません。さらに、万が一のときに備えた生命保険も計算されていなければ、大病をしたときに家計が崩壊するリスクがあります。
地方特有の“貧困の連鎖”
自宅のメンテナンスも費用をかけられないため放置し、建物の寿命を短くしてしまうことも。将来ボロボロになった自宅を子供が相続することになりますが、子供世代が裕福になっていない限り、実家を解体する費用も捻出できず、放置し続けることに。さらにその子供も、住宅ローンと自動車ローンを重ね、貧困が世代間連鎖していきます。持ち物だけが立派というのが、現代の地方都市にありがちな光景なのです。
「地方は自動車の所有が必須」なのは事実ですが、「高級車や新車の購入は必須」ではありません。中古車にするか、新車で買って15年~20年ほど乗り続ける選択をするだけで、家計は変わるはずです。古い車は維持費がかかるといいがちですが、新車を買って利息も払うよりは、はるかに節約できます。
自動車を節約すれば、自宅建物の性能の向上にお金をかけられます。メンテナンス費が少なく済む建物にすることも可能です。自動車に予算を奪われ、安さとデザインだけの建物を買ってしまうことも、生活が苦しくなっていく原因の一つでしょう。
夫Kさんが仕事で高校生と接していると、親の経済的な事情で奨学金を簡単に選択することに驚いてしまいます。偏差値が極端に低く、大学を卒業しても高収入の職業に就くことが難しい傾向の子供さえ、奨学金を借りて大学に行こうとするのです。奨学金の返済に自動車ローンに住宅ローンまで重ねたら、本人だけでなく、その子供はもっと苦しむことになるのにと、苦しい思いをしながらもそれを本人にアドバイスすることはできませんでした。