(※画像はイメージです/PIXTA)

50代のなかには、子どもの独立により教育費の負担が一段落し、ようやく家計にゆとりが生まれた──そんな人も多いのではないでしょうか。一方で、50代には「老後資金の確保」という新たな課題が現実味を帯びてきます。年金だけで十分なのか、いまから資産形成を始めて間に合うのか、そんな不安を抱く人も少なくありません。そこで今回、教育費からの解放をきっかけに老後資金のことを考え始めた50代会社員の例を通して、50代からの堅実な老後資金形成についてみていきます。

 “50代の相談者”が抱きがちな「投資のイメージ」

 

相談のなかで、Aさんはいくつもの不安を口にしました。

 

「今から始めても間に合うのか」

「投資は損をしそうで怖い」

「実際になにを選べばいいのか分からない」

 

こうした悩みは、50代の相談者に非常に多く見られます。若い頃に資産形成を始めていなかったことへの後悔と、失敗したくないという気持ちが同時に存在しているのです。

 

Aさんは、いわゆるバブル世代を先輩にもつ世代です。自分自身は投資と縁がなかったものの、周囲にはよく分からないまま金融商品に手を出し、大きな資金を長期間塩漬けにしてしまったという話を何度も聞いてきたといいます。その経験が、「投資=怖いもの」という印象を強めていたのです。

 

一度悪い印象がついてしまうと、それを払拭するのは簡単ではないでしょう。FPのもとを訪れる相談者には、Aさんのように「投資のイメージ」をアップデートできていない人も少なくありません。

 

そこでFPは、バブル期に多くの人が経験したことは「投資」ではなく「投機」であったことを伝えました。投機は、需給や仕組みのゆがみなどを利用して短時間のうちに誰かの利益を奪い取るものです。プラスマイナスゼロの世界なので「ゼロサム」と表現されています。

 

一方「投資」は、時間をかけてより良い暮らしを実現する経済環境を整えていく作業であるため、すべての人がプラスになる世界「プラスサム」と表現されます。

 

従って資産形成とは、Aさんが見た「投機」とはまったく違う種類のものであることを伝えました。 また、この数十年で投資を行う環境は大きく整備されてきました。投資信託の低コスト化や透明性の向上、税制優遇制度の導入などが進んできたのです。

 

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本記事は、株式会社セゾンファンデックスが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。