50代のなかには、子どもの独立により教育費の負担が一段落し、ようやく家計にゆとりが生まれた──そんな人も多いのではないでしょうか。一方で、50代には「老後資金の確保」という新たな課題が現実味を帯びてきます。年金だけで十分なのか、いまから資産形成を始めて間に合うのか、そんな不安を抱く人も少なくありません。そこで今回、教育費からの解放をきっかけに老後資金のことを考え始めた50代会社員の例を通して、50代からの堅実な老後資金形成についてみていきます。
同僚のマネープランに衝撃…FPへの相談を決意したAさん
Aさんは50代半ばの会社員。妻はパートで働き、二人三脚で子どもの教育費を支えてきました。
「子どものためにとにかく働く」。それがAさんの価値観でした。少し昭和的なのかもしれませんが、Aさんは残業もいとわず仕事に邁進してきました。家族のために生活費を稼ぐこと、それが最も重要な自分の役割と考えていたのです。
子育ては妻に任せきりで、妻は節約に励みながら、いわゆる「内助の功」とパート代で家計を支えてきました。しかし、そんなAさんがFPに相談に訪れるきっかけとなったのは、意外な出来事でした。
数週間前、同年代の同僚と交わした何気ない会話です。
「うちは学資保険には入らなかったんだよ」
そう話す同僚は、教育費を投資で準備していたと言います。
「学資保険は途中でやめると元本割れの可能性があるし、そもそも利回りってあまり良くないことが分かったんだよ。そこでいろいろ調べたてみたら、投資信託を使ったほうが合理的だと思って」
Aさんは驚きました。Aさんにとって、子どもが生まれたら学資保険に加入するのは、ごく当たり前の「常識」だったからです。3人の子どもそれぞれに学資保険に加入し、保険料の負担は決して楽ではありませんでしたが、満期金を教育費に充てた際に「得をしたか、損をしたか」などとは考えもしなかったといいます。
それだけに、同じ会社に勤め、給料もおそらく同程度の同僚が、「投資で教育費を準備していた」という事実に驚いたのでした。
Aさんはこれまで、「投資」という言葉に抵抗感があったそうです。しかし、同僚の話に次第に引き込まれていきました。「いままで何もしなかったけれど、老後のためにはこういう考え方も必要なのかもしれない」そう思ったことが、FP相談につながったといいます。
株式会社アセット・アドバンテージ
代表取締役
1993年、米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後、メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーを目指す。
2002年にファイナンシャルプランナーの初級資格AFPを、2004年に同国際資格であるCFP資格を取得した後、どこの金融機関にも属さない、中立公正な独立系FPとしての活動を開始。金融機関や企業からの講演依頼の他、マネーコラムの執筆や書籍の執筆も多数。
個人相談も多く手がけ、年金、ライフプラン、資産運用を特に強みとしており、具体的なソリューション提供をモットーとする。
著書に、『「なんとかなる」ではどうにもならない定年後のお金の教科書』(クロスメディア・パブリッシング)、『ど素人が始めるiDeCoの本』(翔泳社)、『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東京経済新報社)、『会社も従業員もトクをする! 中小企業のための「企業型DC・iDeCo+」のはじめ方』(同文舘出版)などがある。
●確定拠出年金の相談ができる全国のFPネットワーク
「FP相談ねっと」代表
https://fpsdn.net/
●公的保険のプロアドバイザーを育成する
「一般社団法人 公的保険アドバイザー協会」理事
https://siaa.or.jp/
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