(※写真はイメージです/PIXTA)
高齢者の住み替え……条件は?
内閣府『令和6年版 高齢社会白書』によると、現在居住している住宅と地域のいずれについても、満足度が高くなるほど幸福感を「十分感じている」「多少感じている」と回答した割合が高くなっています。住まいだけでなく、住んでいる地域への満足度が老後の幸せに直結することがわかります。
現在居住している住宅については「居住性」や「防災面」のほか、「経済的視点」に問題を抱えるケースが多いようです。また、地域においては「日常生活」や「防災面」に加え、「通院の便」が課題として挙がっています。
【現在居住している住宅の問題点】
住まいが古くなり、傷んでいる:29.5%
地震、風水害、火災などの防災・防犯面で不安がある:24.4%
断熱性や省エネ性能が不十分:16.9%
家賃、税金、維持費など経済的負担が重い:15.5%
段差や階段等があり使いにくい:12.7%
【現在居住している地域の問題点】
日常の買い物に不便:23.9%
医院や病院への通院に不便:23.8%
交通機関が高齢者には使いにくい、または整備されていない:21.5%
散歩に適した公園や道路がない:12.8%
防災対策や防犯対策に不安がある:9.7%
さらに「住まいの環境で重視すること」では、利便性に関わる項目が並ぶなか、「豊かな自然に囲まれていること、または静かであること」が男女ともに3割を占めています。
【住まいや地域の環境で重視すること
医療や介護サービスなどが受けやすいこと:57.4%/65.0%
駅や商店街が近く、移動や買い物が便利なこと:51.1%/56.8%
高齢者向けに設計(段差解消等)されていること:37.0%/45.3%
豊かな自然に囲まれている、または静かであること:31.5%/30.3%
近隣の道路が安全で、歩きやすく整備されていること:31.2%/35.5%
※数値(左:男性/右:女性)
このように「高齢者が抱える不便」や「望む環境」を整理すると、安直に「都会が正解」と結論づけがちです。しかし、加藤さんの父・幸一郎さんが移住したような、いわゆる「コンパクトシティ」の形成に成功している自治体は、有力な選択肢になるでしょう。
加藤さんのように実際に現地へ足を運び、住環境や親の生活実態を直接確認すること。それが、家族全員が納得できる「後悔のない住み替え」を実現するための確実なステップとなります。