2027年開始予定の「こどもNISA」は、0~17歳の未成年者を対象に、年間60万円まで非課税で投資できる新しい制度です。こどもNISAを活用すると、中学から大学までにかかる教育費をどの程度カバーできるでしょうか。本記事では、「月1万円・2万円・3万円」を積み立てるケースを想定し、FPが具体的にシミュレーションします。
2027年開始予定の「こどもNISA」…中学~大学までの「教育費」はどれくらいカバーできる?〈月1万円・2万円・3万円〉積立シミュレーション【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

こどもNISAで教育費はどこまでカバーできる?「月1万円・2万円・3万円」で試算

ここでは、こどもが生まれたときから「こどもNISA」を活用して毎月一定額を積み立てた場合、15年間でどの程度の資産になるのかを、金融庁の「つみたてシミュレーター」を利用して試算します。

 

毎月の積立額は、「1万円・2万円・3万円」の3パターンを想定します。

 

投資対象は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のようなインデックスファンドを想定し、利回りは年率3%とします。これは、国際通貨基金(IMF)が公表する世界のGDP成長率の長期平均(1961年~2024年)が約3.5%であることを踏まえ、それより保守的に設定した水準です。

 

シミュレーション結果は、次のようになりました(手数料を除く)。

 

■毎月1万円の場合(想定利回り3%)

 

・投資元本(15年間):180万円

・運用収益:+46万円

・運用結果:約226万円

 

月1万円の積立であれば、無理なく続けられる家庭が多いはずです。15年間で約226万円まで増える計算です。

 

これは、国公立の中学から大学までの学費(約564万円)の約40%をカバーできる金額です。

 

一方、私立の中学から大学までの学費(約1,215万円)のカバー率は約19%にとどまり、不足分は積立額を増やしたり、預貯金や児童手当の活用などで対応したりする必要があります。

 

■毎月2万円の場合(想定利回り3%)

 

・投資元本(15年間):360万円

・運用収益:+92万円

・運用結果:約452万円

 

月2万円を積み立てた場合、15年後には約452万円まで増える見込みです。

 

これは、国公立の中学から大学までの教育費(約564万円)の約80%をカバーできる水準です。あと3年積み立てを続けると約570万円となり、全額をカバーすることも不可能ではありません。

 

一方、私立の中学から大学までの学費(約1,215万円)のカバー率は約37%にとどまり、こどもNISAだけでは不足することになります。

 

■毎月3万円の場合(想定利回り3%)

 

・投資元本(15年間):540万円

・運用収益:+139万円

・運用結果:約679万円

 

月3万円を積み立てた場合、15年後には約679万円まで増える見込みです。

 

これは、国公立の中学から大学までの教育費(約564万円)の全額をカバーできる金額です。余剰分は、大学院への進学や留学資金、成人後のライフイベントに備える資金としてストックしておくのも選択肢の一つです。

 

一方、私立の中学から大学までの教育費(約1,215万円)のカバー率は約56%となっており、オール私立の場合は、こどもNISAだけで賄うのは難しいかもしれません。

 

2026年は「こどもNISA」スタート前の準備期間

シミュレーション結果を見ると、月2万円を15年間積み立てた場合、国公立へ進学する場合は教育費の大部分をカバーできる可能性があります。一方、すべて私立へ進学した場合は、どのケースにおいても、こどもNISAだけで教育費をカバーするのは難しいと考えられます。

 

大切なのは、こどもNISAだけに頼らず、預貯金や学資保険などの比較的リスクの低い方法を組み合わせることです。こどもNISAは、市場環境によっては元本割れをするリスクもあります。

 

こどもNISAは教育資金の一部を準備する手段と位置づけ、万が一に備えておきましょう。

 

制度の詳細は未発表ですが、こどもNISAは2027年の開始を予定しています。そのため、2026年は準備期間として、親が自身のNISA口座を活用して資産形成を始めたり、パートナーとこどもの将来について話し合ったりするなどの時間に充ててみてはいかがでしょうか。

 

ファイナンシャルプランナー

近藤 章仁

 

 

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