「投資を始めたいけれど、お金に余裕がない……」。都内在住、年収350万円で25歳会社員の太田さん(仮名)は、投資の必要性を感じながらも、物価上昇の影響などから投資に回せるのは「月1万円が限界」といいます。そんな太田さんが新NISAで35年間、コツコツ「少額積立」を続けた場合、60歳時点で資産はいくらになるのでしょうか。本記事では、利回り3%・5%・7%(年率)のケースでFPがシミュレーションします。
月1万円が限界です…年収350万円・25歳の会社員が「新NISA」で少額積立を35年間続けると?60歳時点の資産額を〈利回り3%・5%・7%〉でシミュレーション【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

年収350万円・25歳会社員の家計状況は?

都内で働く25歳、新卒3年目の太田さん(仮名)の年収は350万円。手取りは月約23万円といいます。

 

家賃は最近値上がりして月8万円、食費が月4万円、光熱費や通信費で月2万円。さらに交際費や日用品代、動画配信サービスのサブスク代などを含めると、毎月の支出は約21万円になります。

 

物価高の影響もあって家計に余裕はなく、貯金に回せるのは月2万円がやっとだといいます。

 

先日、会社の先輩から「NISAやっていないの?」と聞かれ、将来のために投資を始めたい気持ちはあるものの、「月1万円が限界。こんな少額でも意味があるのだろうか……」と悩んでいるようです。

 

 

新NISAは、売却益にかかる20.315%の税金が「非課税」になる制度

「NISA」は、少額からの投資を始めたい人のために2014年1月からスタートした「少額投資非課税制度」です。2024年からは「新NISA」として制度が大幅に拡充され、より使いやすくなりました。

 

通常、株式や投資信託などの金融商品を売却して利益が出た場合は、20.315%の税金がかかります。一方、NISA口座で投資をすれば、非課税になる点が大きな特徴です。

 

つまり、同じ銘柄を購入するなら、特定口座などの課税口座よりもNISA口座を利用したほうが、手元に残るお金が多くなるということです。

 

また、新NISAの非課税保有限度額は1,800万円で、年間では最大360万円まで非課税で投資ができます。

 

制度は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分かれており、つみたて投資枠では、投資信託とETFの積立買付が可能となっており、年間120万円まで利用できます。一方、成長投資枠では上場株式や投資信託などを購入でき、年間240万円まで投資できます。

 

初心者の場合は、新NISAは「つみたて投資枠」から利用することを検討しましょう。なかでも、「全世界株式」や「米国株式」の株価指数に連動する、手数料の低いインデックスファンドを毎月一定額ずつ積み立てる方法がおすすめです。

 

とはいえ、つみたて投資枠の年間投資枠120万円を満額利用できている人は、決して多くはありません。

 

日本証券業協会の「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査」によると、2024年のつみたて投資枠の利用者の平均購入金額は47.3万円でした。月額に換算すると、約3.9万円です。

 

年収が高い人ほど非課税枠の上限まで購入する傾向があり、そのぶん、平均額が押し上げられている可能性があります。そのため、太田さんのように、「月1万円」しか投資に回せない人も、決して少なくないと考えられます。