(※写真はイメージです/PIXTA)
サラリーマンを襲う「2つの2029年問題」
Aさんのような40代会社員にとって、実は2029年に会社や家計にとっての大きな問題が2つ同時にやってきます。
1.「情報I」世代の襲来による失業
1つ目は、データ分析やプログラミングスキルといったITスキルを持つ若手が大量に社会へ出てくることによる影響です。2022年に高校で情報科目が必修となり、2025年1月の大学入学共通テストからは情報Iの科目が追加されました。こうしたた学習や受験勉強をしてきた若手が大学を卒業し、就職するのが2029年度からなのです。
たかが高校での学習内容と侮ってはいけません。共通テストの情報Iはレベルが高く、2年目となった2026年1月の内容は難化しており、平均点は56.59点との発表もありました。筆者も実際に解いてみましたが、単なる知識だけでなく、長文読解力・論理思考力・プログラミングスキルが問われる、かなり高度な内容でした。
こういったITスキルのある若手が会社に入ってくると、ITスキルの差がコミュニケーションの壁になる可能性も大いに予想できます。それはやがて、モチベーションや生産性の低下にまでつながっていくともいわれています。
さらに、転職市場への影響も深刻です。ITスキルを持つ若手が増えれば、中高年は彼らと仕事を奪い合うことになります。AIの発達も凄まじい現代、ホワイトカラーの転職は年々難易度を増し、「ITスキルはあって当然」の流れになっていくでしょう。
2.住宅ローンの「支払い増」が現実になる年
2つ目は、住宅ローンの返済額改定です。日本でマイナス金利が解除されたのは、2024年3月のこと。それ以降、政策金利の上昇はすでに4回行われており、合わせて0.85%の上昇となっています(図表参照)。この政策金利は、日銀の政策決定会合で決まり、変動金利型ローンの目安となります。
2024年3月から金利の上昇が始まっているため、その5年後、つまり「2029年春以降」に猶予期間が終了し、毎月の返済額が実際にアップする時期を迎えるのです。変動金利型住宅ローンの利用者は全体の7割を超えていますから、影響は大きいでしょう。
筆者はこれらを合わせて「2つの2029年問題」と呼んでいます。年功序列で「5年待てば給料が勝手に上がる」という時代は終わりました。5年ルールの猶予期間は、あくまで“返済額アップに備えるための準備期間”です。
・返済額はいくらになるか。
・定年退職時のローン残高がどれだけ増えるか。
ローン完済を目指すためにも、この2点はシミュレーションでいまのうちに確認しておきましょう。
