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「生きがい」の正論に疲弊するシニア……統計に見る「何もしない」充足感
内閣府の『令和3年度 第9回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査』では、日本・アメリカ・ドイツ・スウェーデンの60歳以上を対象に生活意識等の比較が行われました。生きがい・生活満足度に関する項目を見ると、日本は欧米諸国と比べて社会参加や交流の頻度が相対的に低めであることが示唆されており、その結果として日本の高齢者は「生きがい感」が他国より低いとする報告が見られます。
一方、内閣府の『令和5年版 高齢社会白書』や関連統計では、日本の高齢者の生活全体の満足度については「満足している」と回答する割合が一定以上あり、必ずしも「不幸」と評価できるものではありません。
そもそも何に生きがいを感じるかは人それぞれ。松本さんのように「特に目的もなく、穏やかに過ごす」なかで充実感を覚える人もいます。もちろん「生きがいを感じやすい傾向」はあります。特に大きな差が表れやすいのが「健康」と「経済的余裕」です。健康な人とそうでない人では、「生きがいを感じる」と回答した人の割合で60ポイント近い差が生じ、生活に余裕がある人とそうでない人では、40ポイント近い差がありました。
■健康状態
健康状態が「よい」と回答した人…「生きがいを感じる」90.5%
健康状態が「よくない」と回答した人…「生きがいを感じる」31.8%
■経済的余裕
家計に「ゆとりがある」と回答した人…「生きがいを感じる」85.1%
家計が「苦しい」と回答した人…「生きがいを感じる」40.3%
出所:内閣府『令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果』
老後の充実は何をするかよりも、まずは「健康で心配なく暮らすことができる」ことが前提といえそうです。