(※写真はイメージです/PIXTA)
1,000人調査で判明、幸福度を奪うのは「怒り」と「劣等感」の連鎖
SNSが普及したことで、私たちは本来知るはずのなかった他人の「成功の断片」に、24時間アクセスできるようになりました。この状況が人々の精神にどのような影響を与えているのでしょうか。
株式会社事業家集団が10代から50代の男女1,000人を対象に行った『「幸福度が下がるSNS」に関する調査』によると、SNSの利用中に幸福度が下がったと感じることが「よくある」「ときどきある」と答えた人は合計で49.9%に達しました。つまり、利用者の約2人に1人が、本来楽しむためのツールでストレスを溜め込んでいる実態が浮き彫りになりました。
特に、幸福度を下げると回答されたプラットフォームの1位は「X(旧Twitter)」(48.0%)、2位は「Instagram」(33.6%)でした。注目すべきは、それぞれで負の感情を抱く要因が異なる点です。
Xでは「不平不満や誹謗中傷、不毛な争い」といった情報の質に対する「怒り」が主因であるのに対し、Instagramでは「他人のキラキラした投稿と自分を比較してしまう」という「劣等感」が引き金となっています。
また、同調査で「SNSで他人と比較してしまうテーマ」の第1位に選ばれたのは「収入やキャリア(45.3%)」でした。これは「ライフスタイル(37.0%)」や「容姿(35.3%)」を大きく上回る数字です。
この背景には、日本の経済状況も深く関わっていると考えられます。内閣府が公表している「満足度・生活の質に関する調査(2023)」では、個人の生活満足度に最も影響を与える要因の一つとして「家計の状況」が挙げられています。賃金が停滞し、将来への不安が拭えないなかで、SNS上で可視化される「他者の経済的成功」は、単なる羨望を超えて、自身の現状に対する強い「焦燥感」へと変換されやすいのです。
総務省の「令和5年通信利用動向調査」によれば、SNSの利用率は全年代で8割を超えています。生活インフラとなった今だからこそ、画面の向こう側の演出された「幸せ」と自分を切り離す、メンタルガードの重要性が高まっているといえるでしょう。
[参考資料]