「共働きで高収入だから大丈夫」という安心感が、思わぬ墓穴を掘ることがあります。たとえば教育費。未来への投資だからと優先させ、どんぶり勘定でいた結果、想像以上のインパクトに撃沈……。とある40代男性のケースを見ていきます。
世帯年収1,200万円・順風満帆だった48歳父の大誤算。「貯金の3分の1」を失った教育費の破壊力に「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

子どもが一人なら大丈夫だったのに…重なる進学、数百万単位の支払いに震えた春

都内のメーカーに勤務する加藤浩次さん(48歳・仮名)。妻の直子さん(46歳・仮名)も看護師として働き、世帯年収は1,200万円超。生活に不自由を感じたことはありませんでした。しかし、この春、長女の大学進学と長男の私立中学入学が重なったことで、加藤家の家計は一気に凍りつきました。

 

「個別の授業料や塾代は把握していたつもりでした。でも、入学金、施設拡充費、制服代、パソコン代……。それらが2人分、一気に押し寄せてくる破壊力は想像以上でした」と浩次さんは目を丸くして語ります。

 

加藤家では、子どもたちの「学びたい」という意欲を尊重し、習い事や塾選びに制限を設けてきませんでした。毎月の月謝が合計15万円を超えても、「共働きのご褒美」として外食やレジャーも削らずにきたといいます。

 

「貯金もそれなりにしてきましたし、ボーナスもある。多少、お金がかかっても共働きだから何とかなると思って、教育費はどんぶり勘定。しっかりとシミュレーションをしたことはありませんでした」

 

しかし、実際にかかる金額を目の前にしたとき、「こんなにかかるものなのか!」と驚きの連続だったそうです。長女の私立文系大学の初年度納付金で約130万円、長男の中学入学に関連する諸経費で約100万円。さらに長女の通学用定期代や教科書代、長男の塾の継続費用などが重なり、わずか数ヵ月で貯金の3分の1が消し飛んだのです。

 

「できるだけ平然を保ってきたつもりが、長女から『奨学金を借りたほうがいい?』と気を遣って聞かれました。子どもたちにもバレバレだったみたいです。共働きで必死に働いてきたはずなのに、なぜこんなに余裕がないのか……そう思いましたが、冷静に考えれば当然の結果ですね」

 

浩次さんは、今さらながら「教育費のピーク」を予測していなかった自分を責めています。

 

「毎月の給料で回っているうちはよかった。でも、大きな山が重なったときのインパクトがどれほどのものか、まったく想像できていなかった。どんぶり勘定のツケが一気に回ってきたんです。これから大学の授業料が4年間、中学・高校の月謝が6年間続く。もう、以前のような『なんとかなる』という楽観は完全に消えました」