スマートフォンを指一本でスクロールするだけで、自分よりも遥かに豊かな生活を送る“誰か”の日常が飛び込んでくる現代。SNSは情報収集に欠かせないツールとなった一方で、利用者のメンタルに予期せぬ影を落とすこともあるようです。最新の1,000人を対象とした調査では、利用者の約半数が「SNSによって幸福度が下がった」と回答。特に、他人の収入やキャリアを自分と比較して自信を喪失する人が後を絶ちません。なぜ、かつての友人や見知らぬ誰かの投稿が、私たちの心をこれほどまでに乱すのでしょうか。
俺、人生の選択、間違えたのかな…〈月収45万円・44歳課長〉がSNSで知った「残酷な格差」。1,000人調査で判明した「SNSで幸福度が下がる」の衝撃 (※写真はイメージです/PIXTA)

「自分は負け組ではないか」…画面越しの贅沢に打ちのめされる40代男性の苦悩

都内の中堅メーカーに勤務する佐藤健一さん(44歳・仮名)は、平日の通勤電車や昼休憩のわずかな時間にSNSをチェックするのが習慣になっています。佐藤さんの月収は45万円、手取りにすると35万円ほどです。同年代の平均程度だという自負がありました。しかし最近はその自信が揺らいでいるといいます。

 

【年齢別・大卒サラリーマン(正社員)の平均給与】

20~24歳:25.2万円

25~29歳:29.0万円

30~34歳:34.2万円

35~39歳:39.6万円

40~44歳:43.7万円

45~49歳:49.8万円

50~54歳:52.8万円

55~59歳:56.1万円

※出所:厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』男性/大学卒/所定内給与

 

「以前は友人の近況を知るのが楽しみでしたが、最近はFacebookやInstagramを開くのが少し怖くなっています」と、佐藤さんは心境を吐露します。最もストレスを感じるのは、かつての同級生や、同年代(だと思われる)インフルエンサーたちが投稿する、華やかなライフスタイルです。

 

「都心のタワーマンションからの夜景、高級外車、あるいは『週休3日で月収100万円』といった景気の良い言葉が並んでいるのを見ると、自分の毎日が酷くみすぼらしいものに思えてくるんです。彼らが特別なのか、それとも真面目に働いている自分が損をしているのか。答えの出ない問いが頭を巡ります」

 

特に佐藤さんの心をざわつかせるのが、具体的な金額は出さずとも「経済的な余裕」を匂わせる投稿だといいます。

 

「高級時計や、一食数万円もしそうな寿司屋の写真。私にとってはボーナス後の贅沢でも、彼らにとっては日常のように見えます。SNSを見終えたあと、たとえば手元にあるコンビニの弁当を見つめていると、何ともいえない虚しさに襲われます。自分は人生の選択を間違えたのではないか……そんなことを考えて落ち込むばかりです」