ハイブリッド年金(給与の一部を掛金に回すことで、税金や社会保険料を抑えながら老後資金を作れる「選択制企業型確定拠出年金」の通称)の選択は、手取りを優先するか、将来の備えに回すかの究極の選択です。節税メリットが注目されがちですが、「公的保障」のベースを削る要因にもなり得ます。本記事は、松本千賀子氏の著書『会社員が知らないともらいそびれる4,000万円の話』(ロギカ書房)より、制度利用で後悔しないために知っておきたい5つのポイントを解説します。
「今の給料」か「将来の年金」か、あなたにとっての“最適解”はどっち?〈ハイブリッド年金〉で後悔しないために正しく理解すべき“5つの損得勘定” (※画像はイメージです/PIXTA)

(2)健康保険

健康保険の代表的な給付といえば、医療給付。病院やクリニック、薬局などの3割負担の部分です。これは給与がいくらでも全く影響がありません。実際に、給料が10万円の人も、200万円の人も、扶養で収入が0の人もみんな同じようにかかった費用の3割負担です。7割は払わなくてよいのです。

 

この3割負担の部分が、給与を減額したらかといって4割になるなどということはありません。こう考えると日本は本当にありがたいなと思います。

 

給与減額の影響を受けるのは給与を基に計算されている、傷病手当金と出産手当金です。Chapter1でご説明していますが、給与が下がることによってどれくらい影響を受けるのか見てみましょう。

 

【例】

傷病手当金と出産手当金の計算の基となるのは請求する月から過去12か月の標準報酬月額です。

〈ケース1〉給与減額により標準報酬月額に変更がない場合

この場合、社会保険の等級が変更となっていないので不利益はありません。

 

〈ケース2〉給与減額により標準報酬月額の等級が下がった場合

標準報酬月額が26万円と24万円では、1日当たり447円の給付減となってしまいます。

 

(3)雇用保険

失業したときに受けることができる基本給付金と、育児休業中あるいは介護休業中の給与がもらえないときの給付金が影響を受けます。こちらも、1万円の給与を減額したことにより1日当たり112円の給付減となってしまいます。