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社会保障制度は“知識”がないと活用できない
社会保障制度はすべて自分自身で、あるいは会社から各機関に「請求」、あるいは「申請」をする必要があります。あなたが病気やケガで会社を休んだことは誰も知らないのです。もちろん家族や会社の人は別です。
加入している健康保険の担当者、ハローワークの担当者、労働基準監督署の担当者、年金事務所の担当者は、あなたが今どういう状況なのかは全く知りません。そして、あなたにはこのような制度が使えますよと教えてくれないのです。自分で調べるか、会社の担当者の方が教えてくれなければ給付を受けることができません。
だからこそ、社会保障制度を知る必要があるのです。すべて「請求」あるいは「申請」により、はじめて様々な保障を受けることができるのです。
老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)も同じです。老齢年金は受給開始年齢に到達する3か月前に、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所および年金加入記録を予め印字した「年金請求書(事前送付用)」および年金の請求手続きのご案内が、本人あてに日本年金機構から送られてきます。受け取りたい人は、この「年金請求書」で「請求」しなければ、いつまでたってもお金が自分の口座に振り込まれることはありません。
労災もそうです。厚生労働省労働基準局労災補償部補償課が出している「労災保険請求のためのガイドブック〈第一編〉請求(申請)のできる保険給付など」のQ&Aには次のように書かれています。
Q:私が勤務している会社は、今回の事故は労災には当たらないとして、協力的でなく、事業主証明などの手続きを行ってくれないのですが、どうしたらよいでしょうか。
A:労災保険の手続きは原則、被災された方が自ら行っていただくことになっています。会社が事業主証明を拒否するなどやむを得ない場合には、事業主の証明がなくても、労災保険の請求書は受理されます。
多くは会社が手続きをしてくれると思いますが、会社が手続きをしてくれなければ、あなた自身が、死亡した場合は、その遺族が「請求」しなければなりません。これは民間の生命保険や損害保険も同じです。あとになって「え~あのときも保険の対象だったの?」なんてことありませんか。あなたが保険会社に連絡して、書類を書いて提出して「請求」する必要があります。請求を忘れたり、そもそも受け取れる制度のことを知らなければ受け取ることができません。
ハイブリッド年金も60歳以降の受給年齢になったら、あなたが自ら運営管理機関やレコードキーピング(記録関連業務)を行っている機関に連絡して「裁定請求書」を送付してもらい、必要な書類を準備して返送します。その後、「給付金裁定結果通知書」があなたの自宅に届き、年金資産を売却して現金化をします。さらに、あなたの自宅に「給付金支払通知書」が届き、やっと年金資産があなたの口座に振り込まれます。