(※画像はイメージです/PIXTA)
(4)厚生年金
厚生年金も将来自分自身が受け取る老齢厚生年金と、自分が死亡したときに遺族が受け取ることができる遺族厚生年金、そして、自分自身に障害が残る場合に受け取ることのできる障害厚生年金が影響を受けます。ここで注意が必要です。厚生年金が影響を受けるのです。2階建ての2階の部分です。1階部分である基礎年金は影響がありません。
ここで疑問が出てきます。厚生年金保険料には基礎年金部分も含まれていることになります。でも給与減額により影響があるのは2階部分である厚生年金のみなのです。
厚生年金保険の中を見ていきましょう。基礎年金の受取り額はいくらかご存じですか? 基礎年金の加入は20歳から原則60歳までです(政府はこの60歳までの加入期間を65歳まで伸ばそうとしています)。この480か月をすべて納付した人が受け取れる満額は816,000円(令和6年度)です。つまり、何か月納付したかしか見ていません。納付した人の給与の額は関係ないのです。
基礎年金は給与が10万円の人も給与が200万円の人も同じ額です。基礎年金は給与を減額しても全く影響せず、影響があるのは厚生年金のみです。
では、給与が25万5,000円の人が1万円減額して24万5,000円になったことでどれだけ影響を受けるのでしょうか。
えっ、将来の年金が年間48,460円も減るじゃん!!と思いますよね。
でも、あなたは公的年金を当てにしていないのではなかったですか? しかも、計算したのは、現在の計算式です。実際に将来、年金額が減額されるのではないのかという話はあちこちで飛び交っています。この減る年金額を気にしてハイブリッド年金を選択しないのはどうなのでしょう? メリットはどうだったでしょうか?
【例】
東京都在住30歳独身給与が255,000円の人が1万円の給与減額でハイブリッド年金に加入した場合、年間34,656円の税金や社会保険料等の効果があります。
30歳から65歳までの合計は1,471,960円です。将来減額となるであろう老齢厚生年金が年額は48,460円です。
結局、損するのか得するのか? メリット・デメリットをどう考えるかですね。
老齢年金は、原則65歳からの受給です。得した1,471,960円を損する48,460円で割ってみると約30年分になります。95歳以上長生きした場合は損が出てきます。
あなたはどう考えますか?
細かい話が続いていますね。でもメリットとデメリットを、しっかりわかったうえでこの制度を利用してほしいのです。
(5)住宅ローン
住宅ローンは、すべての人が影響を受けるわけではありませんが、これから住宅ローンを検討している人は知っておいてほしいのです。
住宅ローンには借入限度額というのがあります。これは年収をベースに考えられています。給与減額により年収が下がるので、住宅ローンの借入限度額が下がることになります。といっても、最高でも拠出額の上限が月額55,000円なので、年間にすると66万円です。
借入限度額が年収の5倍を上限とした場合、66万円×5=330万円ほど住宅ローンの借入限度額が下がることになるので、ほしいと思っている住宅が購入できない可能性もあるかもしれません。
ただし、これから住宅ローンを検討している人が確定拠出年金の拠出に55,000円も拠出するケースは少ないでしょう。掛金が1万円だとすると12万円、5倍で60万円の減額です。あまり気にしなくてよいのではと思いますが、一応デメリットの部分でもあるのでお伝えしておきます。
松本 千賀子
ファイナンシャルプランナー
特定社会保険労務士
白島社勞士事務所

