2022年からようやく金融教育が必修化された日本では、海外に比べ金融リテラシーが低いという現状があります。老後の収入や現役時代の資産形成にも大きく影響するため、最低限身につけておきたい知識です。本記事は、松本千賀子氏の著書『会社員が知らないともらいそびれる4,000万円の話』(ロギカ書房)より、金融リテラシーの重要性について解説します。
50代の60%超が「老後の年金をいくら受け取れるか知らない」という事実。先進国に遅れをとる日本の“金融リテラシー”問題…あなたはいくつ正解できますか? (※画像はイメージです/PIXTA)

最低限身につけておきたい「金融リテラシー」

中学性・高校生を対象に、金融教育が2022年4月から始まりました。この本を読んでいるあなたはいかがですか? 金融教育を受けたことがありますか?

 

日本人の金融リテラシーはというと次のような結果があります。金融リテラシー(Financial Literacy)は、お金に関する知識とスキルのことを指します。政府広報オンラインでは次のように書かれています。

 

1. 家計管理

2. 生活設計

3. 金融と経済の基礎知識と金融商品を選ぶスキル

 

では、実態はどうでしょうか。金融広報中央委員会が実施している「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2021年の金融行動の実態調査結果は、次のようになっています。

 

★貯蓄がある世帯の割合:約82%

★株式や投資信託を保有している世帯の割合:約16%

★住宅ローンを抱えている世帯の割合:約28%

金融リテラシーが低い日本の現状

同じく金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」で日本全国18歳から79歳の2万5千人を対象とした、インターネットによるアンケート調査によると、次のような結果でした(2020年2月14日日本銀行副総裁雨宮正佳氏による「金融リテラシー~人生を豊かにする「お金」の知恵~」という講演会資料による。)。

 

「金融リテラシー調査」の設問例があり、次の問題があります。あなたはすべて回答できますか?

 

問題例1 金利が上がったら、通常、債券価格はどうなるでしょうか

(1)上がる

(2)下がる

(3)  変化しない

(4) 債券価格と金利の間には何の関係もない

(5) わからない

 

答え:(2)下がる

 

問題例2 高インフレの時には、生活に使うものやサービスの値段全般が急速に上昇する

(1) 正しい

(2) 間違っている

 

答え:(1) 正しい

 

問題例3 100万円を年率2%の利子がつく預金口座に預け入れ、税金を考慮せず、入出金がなかった場合、5年後の残高はいくらになっているでしょうか

(1) 110万円より多い

(2) 110万円より少ない

(3) ちょうど110万円

(4) 上記の条件だけでは答えられない

(5) 分からない

 

答え:(1) 110万円より多い

 

OECD調査と日本での調査の比較がありますが、問が共通している11問の正解率は対象30か国中、日本は22位という順位だったようです。

 

出典:日本銀行副総裁雨宮正佳氏による「金融リテラシー~人生を豊かにする「お金」の知恵~」より
[図表1]OECD調査との比較(共通11問) 出典:日本銀行副総裁雨宮正佳氏による「金融リテラシー~人生を豊かにする「お金」の知恵~」より

 

ここ数年の結果で、金融リテラシーは上がってきてはいるそうですが、まだまだ低いのではないでしょうか。