辰年・巳年の株高アノマリー通り、ついに日経平均株価は5万円の大台に乗りました。市場の関心は、格言で「尻下がり」とされる2026年の午(うま)年相場へと移っています。個人投資家は来年の市場をどう見ているのでしょうか。最新調査をもとに、強気派と弱気派の攻防、そして具体的な予想価格を読み解きます。
日経平均「5万5000円」は通過点か、天井か…個人投資家800人の「2026年相場」大予測 (※写真はイメージです/PIXTA)

「高市政権」への期待と「地政学」の不安

数字の背景にある投資家の心理も見てみましょう。今回の調査では、予想の理由についての自由回答も集められています。そこからは、2026年の日本を取り巻く具体的な政治・経済環境に対する期待と不安が浮き彫りになりました。

 

上昇理由として目立ったのは、国内政治への期待です。 「高市政権の積極財政推進により、日本経済は間違いなく上向く」(63歳・女性) 「円安の影響で最高益を更新していく企業が多数でる」(63歳・女性) といった声が寄せられました。積極財政への転換が企業業績を押し上げ、それが株価に反映されるというシナリオを描く投資家が多いようです。また、米国株ブームの一巡に伴い、資金が割安な日本株へシフトするという需給面の好転を挙げる声もありました。

 

一方で、下落派や横ばい派が懸念するのは、やはり海外要因です。 「ロシア・中国・北朝鮮が不穏な動きを始めている」(59歳・女性) 「円安での物価高騰とトランプ関税での輸出の後退」(69歳・男性) このように、地政学リスクや保護主義的な通商政策が日本経済の重石になるとの見方が根強くあります。特にトランプ関税などの外的なショックは、輸出産業の多い日本株にとって無視できないリスク要因です。

「横ばい」が意味する本当の強さ

今回の調査で最も注目すべきは、やはり約半数が選んだ「横ばい」という結果です。一般的に、相場が歴史的な高値圏にあるとき、投資家心理は「まだ上がるという陶酔」か「もう暴落するという恐怖」の両極端に振れやすいものです。

 

しかし、今回の結果は極めて冷静です。日経平均5万円という、かつては夢物語だった水準に到達したにもかかわらず、多くの個人投資家は「この水準が定着する」と見ています。これは、日本株の上昇が単なるバブル的な熱狂ではなく、企業統治改革やデフレ脱却といったファンダメンタルズの裏付けを伴っていると、投資家自身が肌で感じている証左ではないでしょうか。

 

「横ばい」は、決して停滞ではありません。高値圏での「保ち合い」は、次のトレンドが発生するためのエネルギーを蓄える期間ともいえます。2026年、もしこの「横ばい予想」が当たり、5万円台での値固めが進むのであれば、それは次の「6万円」を目指すための強固な土台となるはずです。

 

「尻下がり」のジンクスを跳ね返し、日本株が新たなステージで定着できるか。2026年は、日本の株式市場の「地力」が試される一年になりそうです。

 

[参考資料]

株式会社トレジャープロモート/株の学校ドットコム『【2026年の株式市場】個人投資家の予想は「横ばい」が最多。上昇派は下落派の約2倍。日経平均「55,000円」予想が多い一方、プロは「それ以上の上昇ペース」も想定』

 

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