「若い頃に家を飛び出し、それきり親とは疎遠になっている」。そんな親子関係は、決して珍しい話ではないかもしれません。父の急逝により、25年という長い空白期間を経て実家に戻ったある女性。そこで彼女が直面したのは、知られざる父の晩年の生活実態でした。
「パパ、ごめんなさい…」25年ぶりに帰郷した45歳娘の大懺悔。75歳父を亡くして初めて知る「仰天の貯蓄額」

70代でも「働く」のが当たり前の時代に

こうした高齢者の就労は、現代の日本において決して珍しいことではありません。

 

総務省統計局によると、2024年、65歳以上人口は3,619万人。65歳以上の就業者数は、21年連続で増加し930万人と過去最多を記録しています。さらに細かくみていくと、「65~69歳」の就業率は53.6%、「70~74歳」が35.1%、「75歳以上」が12.0%となっています。

 

―70代になったけれど働いています。 そのような人が3人に1人。
―後期高齢者になったけれど働いています。 そのような人が8人に1人。

 

これが高齢化社会・日本の実情です。

 

ヒューマンホールディングス株式会社が65~74歳の男女1,000名を対象に行った『シニアの仕事観とキャリアに関する実態調査2025』によると、「定年後に働く理由」は、1位「生活費を得るため」(54.6%)、2位「社会とのつながり」(43.0%)、3位「身体的健康の維持」(42.1%)でした。高齢者は必ずしも経済的な理由だけで働いているわけではありません。美香さんの父・健一さんのように「子どものために」「孫のために」――そんな思いで働き続けるケースもあるでしょう。

 

また、金融広報中央委員会『令和5年 家計の金融行動に関する世論調査』によると、70代単身世帯の26.7%が貯蓄(金融資産)ゼロという結果が出ています。一方で貯蓄ありの世帯に限ると平均貯蓄額は2,104万円、中央値は1,100万円。平均値と中央値に大きな乖離があるのは、美香さんの父・健一さんのように資産を大きく増やしている人と、そうでない人で二極化していることを示唆しています。これらの統計からも、健一さんがどれほど子や孫のことを思っていたか、想像に難くありません。

 

「もっと早く帰っていれば、父と話せたのに……。今さら何度『パパ、ごめんなさい』と言ったところで、後悔が消えることはありません」

 

定期的な連絡や家計の共有は、互いの誤解を防ぎ、安心した老後につながるでしょう。もし疎遠になっている家族がいるなら、早めの声かけが、後悔を減らす一歩になるかもしれません。

 

[参考資料]
総務省統計局『統計からみた我が国の高齢者』
ヒューマンホールディングス株式会社『シニアの仕事観とキャリアに関する実態調査2025』
金融広報中央委員会『令和5年 家計の金融行動に関する世論調査』

 

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