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「次男嫁なら安泰」と信じていた…28歳女性を襲った、義実家での「戦慄の通告」
都内のIT企業で働く佐藤理奈さん(28歳・仮名)は、1年前にメーカー勤務の夫、健二さん(35歳・仮名)と結婚しました。理奈さんが結婚の決め手のひとつとして挙げていたのが、健二さんが「次男」であるという点です。
「私の実家は本家との付き合いが濃く、母が苦労している姿を見て育ちました。だから、長男との結婚には抵抗があって……。健二さんは次男だし、お義兄さん(健一さん・38歳・仮名)もいるから実家のことはノータッチでいい、と聞いて安心していたんです」
交際中、健二さん「兄貴は地元で公務員をしているし、両親と同居も考えているみたいだから、俺たちは自由だよ」と笑っていました。理奈さんはその言葉を疑うことなく、気楽な共働き生活をスタートさせました。
結婚して初めて義実家への帰省。「お客さん気分でいけばいいから」という健二さんの言葉通り、出迎えてくれた義両親は満面の笑みで歓迎してくれました。立派な日本家屋に、手の込んだ郷土料理。長男である義兄は仕事の都合で不在でしたが、義父母との会話も弾み、理奈さんは「いいご両親でよかった」と胸をなでおろしていたのです。
しかし、夕食後の団らんの最中、空気が一変しました。
「健二、理奈さん。ちょっとこっちへおいで」
義父に手招きされ、連れていかれたのは仏間でした。そこには立派な仏壇があり、壁には先祖代々の遺影が飾られています。義父は神妙な面持ちで座布団を勧めました。
「実はな、健一のやつ、婿に入ることになってな」
想像もしていなかったことに、健二さんも理奈さんも言葉を失くしました。長男・健一さんは地元の有力者の娘との結婚が決まったものの、その家には跡取りがおらず、婿に入ってほしいという話があったというのです。
「この家はどうするんだよ」と健二さんが声を上げると、横にいた義母がニコニコと笑いながら、窓から見える裏山の墓地を指さし、「だからね、この家とお墓は、あなたたちに頼みたいの。この家は、いずれあなたたちのもの。理奈さん、あそこにあなたたちのお墓があるの」
理奈さんは言葉を失いました。義母の笑顔は、決して悪気があるわけではありません。しかし、その無邪気な「あなたのお墓」という言葉は、理奈さんにとって「一生、この家と墓の世話から逃れられない」という宣告に他なりませんでした。
義父は「お前たちしかいないんだ。頼んだぞ」と頭を下げるばかり。理奈さんは笑顔のまま固まるしかなく、その夜は一睡もできませんでした。
「次男だから」「東京に住んでいるから」という理奈さんの結婚の前提は、親族の事情ひとつで簡単に覆りました。帰りの新幹線で、健二さんは「まあ、まだ先の話だし」と楽観的でしたが、理奈さんの頭のなかには、あの古びた墓石と、広すぎる日本家屋の管理への不安が渦巻いていたのです。