久しぶりの帰省は、高齢になった親の元気な姿に安堵する一方で、生活の変化や老いを感じる瞬間でもあります。特に、親の家計管理や資産状況は、離れて暮らしているとなかなか把握しきれないものです。親を想う気持ちと現実の家計、そして高齢者の経済状況――ある男性のケースをみていきます。
正月帰省で発覚した衝撃事実…年金12万円・82歳母の「毎月の出金履歴」に56歳長男、不信感。30年目の真実に「うっ、うそだろ?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢親の家計管理、お盆や正月が「見直し」の好機

金融広報中央委員会『令和5年(2023年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』によると、「経済的豊かさを感じている(実感している、ある程度実感している、の合計)」と回答した単身者は31.5%。60代単身者で28.4%、70代単身者で35.6%でした。感じ方はさまざまであるものの、全世代の6~7割が経済的な厳しさを感じています。この結果を鑑みると、ハナさんのような80代単身者も同様に厳しさを感じていると考えられます。

 

高齢者の生活を支えるのは公的年金ですが、決して潤沢というわけではありません。厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金(第1号)受給者の平均年金月額は、基礎年金を含めて15万1,142円。65歳以上・女性の厚生年金受給権者に限ると平均月11万4,797円です。月12万円だというハナさんは、平均的といったところでしょうか。

 

一方で、総務省『家計調査 家計収支編 2024年平均』によると、高齢単身者の1ヵ月の支出は15万円ほど。女性の単身者であれば、月4万~5万円ほどの赤字になる計算なので、達也さんの月5万円の仕送りがどれほどありがたいものなのか、統計からもわかります。だからこそ、その仕送りがそのまま妹たちに渡っていたことへの怒りも想像に難くありません。

 

しかし、現役世代の家計も厳しいことに変わりはありません。厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、2025年10月時点、物価上昇を加味した実質賃金は10ヵ月連続のマイナス。実質、給与減という状況が続いています。たとえ高齢の親だとしても、金銭的な支援はありがたい――というのが本音といったところでしょうか。

 

とはいえ、親への支援が、本当に親のためになっているのか。一度冷静に見つめ直す必要があるのかもしれません。

 

[参考資料]

金融広報中央委員会『令和5年(2023年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』

厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

総務省『家計調査 家計収支編 2024年平均』

 

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