シニア世代の婚活が活況だといわれますが、「老後は気の合うパートナーと穏やかに過ごしたい」などと淡い期待を抱きつつ、想像以上の厳しい現実に直面することも珍しくないといいます。69歳で婚活を始めた、ある独身男性のケースをみていきます。
「施設に入るお金はありますか?」資産8,000万円・69歳独身男が絶句。婚活相手が手帳に書き留めた「衝撃の9文字」 (※写真はイメージです/PIXTA)

愛より金? シニア婚活のシビアな実情

婚活支援サービスを展開するタメニー株式会社が実施した調査によると、ミドル・シニア世代が結婚相手に求める条件として、「年収」や「資産」を重視する傾向は根強く残っています。特に、若い世代(Z世代など)が相手の「価値観」や「容姿」を重視するのと比較しても、シニア世代はより「現実的な生活力」をシビアに見極めようとする姿勢がうかがえます。

 

なぜ、シニア婚活でこれほどまでに「お金」が重視されるのでしょうか。

 

その背景にあるのは、切実な老後不安。特に女性の場合、男性に比べて平均寿命が長く、独り身期間が長くなる傾向にあります。また、現役時代の賃金格差や年金受給額の差から、単身での生活維持に不安を抱える女性は少なくありません。

 

【ミドル・シニア世代:相手の経済状況が気になる理由は?】

老後の安心のため…70.3%

相手にもある程度の安定収入を求めたい…64.1%

万が一のリスクに備えるため…49.0%

家族や親戚にも影響するから…35.2%

自分の築いてきた財産を奪われたくないから…28.3%

 

そのため、婚活の場において、男性の「資産」や「年収」を確認することは、贅沢をしたいからではなく、自分の生活と将来を守るための必須事項。「愛があればお金なんて」という綺麗事は、特にこの年齢になると通じることなく、相手の通帳の中身やお墓の問題まで、最初の段階でクリアにしておきたいことは、若い世代よりもシビアです。

 

シニア婚活は、「ときめき」よりも「安らぎ」と「安全」を求める場です。ずっと1人で生きてきた男性がその背景を理解せず、「俺の金目当てか」と拒絶反応を示してしまうと、成婚への道のりは遠のいてしまうのかもしれません。

 

[参考資料]

タメニー株式会社『恋するシニア、昨年より増加。約4人に1人が恋愛中』