予期せぬアクシデントに遭遇したとき、誰しもが動揺します。しかし、そこで誤った判断を下せば、その代償は人生そのものになりかねません。たった一度の過ちが、平穏な日常と家族の未来をどう崩壊させてしまうのか。本記事では山下さん(仮名)の事例から、FP dream代表FPの藤原洋子氏が人生を守るための正しい行動とリスク管理について考えます。※個人の特定を避けるため、内容の一部を変更しています。
逃げたつもりはなかったんだ…月収150万円だった50代会社役員、暖房が消されたリビングで一人冷めた夕飯を食す日々。温かい我が家で待つ家族を裏切った「夜道の一瞬の出来事」【FPが警鐘】 (※写真はイメージです/PIXTA)

将来設計に与える影響

逮捕・裁判というプロセスのなかで、会社側は顧問弁護士を派遣し、事態の早期解決に動きました。しかし長引く対応は、山下さんに甚大な精神的負担と、経済的ダメージをもたらします。

 

・弁護士費用

・裁判の長期化による業務制限

・株主や取引先への説明責任

・役員報酬の減額/停止

・辞任や解任の可能性

 

社会的信用の喪失は、家庭内の風景さえも一変させました。かつては家族の食卓の中心にいた山下さん。しかし現在は、家族から「逃げた」と軽蔑され、山下さんが帰宅するころにはいつもリビングの灯りも暖房も消されています。一人で食べる冷めきった夕食の味は、なんの味もしません。

 

一度信用に傷がつけば、回復には長い時間とコストがかかることが想像されます。山下さんの今後の将来設計における最大のリスクは、資産形成においての市場の相場変動などではなく、「社会的信用の喪失」だったといえるでしょう。

人生と資産を守る行動原則

山下さんの事例が示唆するのは、事故を未然に防ぐ努力は不可欠ですが、予期せぬ事態が起きた瞬間に誠実な対応を選べるかどうかが、その後の人生を左右するという現実です。多くの人が頭では理解していながらも、突発的な出来事に直面した際、冷静さを失ってしまうことがあります。咄嗟の判断として重要な視点は下記の3点。

 

1.違和感があれば必ず停車・確認する。

2.被害の程度を自己判断しない。

3.救護と通報を最優先する。

 

これらは単なる道徳論ではなく、リスクマネジメントそのものです。わずか数分の対応が、刑事事件を防ぎ、築き上げた信用を守ります。

 

「野生動物か落ちているゴミにぶつかったと思った」「逃げたつもりはなかった」という言い訳は通用しません。夜道の一瞬の「思い込み」と「確認しない選択」が、役員の地位、家族との平穏な生活、そして老後の資金計画までも崩壊させかねないのです。保険や投資でリスクに備えるのと同様に、ハンドルを握る際は「最悪を避ける行動」を徹底すること。それが、資産とキャリアを守り、人生全体の安定につながります。この事例が、運転するすべての方、社会的責任を負う立場にある方にとって、行動を見直す契機となることを願います。

 

〈参考〉

道路交通法第七十二条 に違反する行為 e-GOV
https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105#Mp-Ch_4-Se_2

 

兵庫県警
https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/traffic/pdf_files/kyugo_gimu.pdf#

 

道路交通法119条1項17条 e-GOV
https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105#Mp-At_119-Pr_1-It_17

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP