(※写真はイメージです/PIXTA)
探偵が「一番別れられない」と断言する相手
第一探偵事務所が探偵経験者205名に行った調査によると、不倫関係が最も長続きしやすい(=関係が切れにくい)相手は、「職場関係(35.6%)」を抑え、「学生時代の知り合いや元恋人(40.5%)」が最多でした。
なぜ、昔の恋人との不倫は「泥沼化」しやすいのでしょうか。
職場不倫は、バレれば解雇や左遷のリスクがあり、周囲の目も光っています。しかし、学生時代のつながりは、現在の生活圏や人間関係(配偶者や子供)と完全に切り離されているため、発覚しにくいという「環境的な死角」があります。
さらに厄介なのが心理面です。社会的な仮面を被る必要がない相手には、最初から警戒心がなく、精神的な依存度が高まります。「今の辛い現実」を忘れて「輝いていた過去」に逃避できるため、一度ハマると抜け出せなくなるのです。
しかし、その「逃避」のツケは大きいものです。離婚協議で啓介さんが提示された慰謝料は300万円程度。啓介さんは「手切れ金として妥当な額だ」と一瞬安堵しました。しかし、弁護士から続く説明を聞き、血の気が引いたといいます。
「問題は慰謝料ではありません。財産分与でした」と啓介さん。
司法統計を見ても、不貞行為の慰謝料は100~300万円が相場ですが、熟年離婚における財産分与は容赦がありません。啓介さんが結婚後に築いた資産はすべて分与対象です。 啓介さんが提示されたのは以下の通り。
慰謝料…130万円:不貞行為の代償としての相場だが、これはほんの序章に過ぎない。
財産分与…4,000万円:結婚期間中に築いた資産は、原則として夫婦で2分の1ずつ分けることになる。啓介さんの高収入によって蓄えられた預貯金、有価証券、そしてタワーマンションの売却益。これらが半分、ごっそりと持っていかれる。
養育費…月額15万円:(大学卒業まで) 高収入であればあるほど、算定表に基づく養育費の額は跳ね上がる。
「妻に渡す現金を捻出するために、結局タワマンを売ることになりました。残ったのは、半分になった貯金と、築古のワンルーム、そして孤独な老後だけです」
プロの探偵が「最も危険」と警告する同窓会不倫。その代償は、慰謝料という「罰金」だけでは済まされず、エリート夫が積み上げてきた人生の基盤そのものを崩壊させる破壊力を持っていたのです。
[参考資料]
第一探偵事務所『「W不倫」「双方が別の探偵に依頼」——【探偵205人に聞いた!浮気調査のリアル】現場で本当に起きている“浮気のカオス”』