不倫のリスクと聞くと、多くの人は職場での関係を警戒するかもしれません。しかし、プロの探偵が「最も関係が断ち切れず、泥沼化しやすい」と警鐘を鳴らすのは、実はまったく別の相手でした。ある男性のケースをみていきます。
「職場不倫よりもタチが悪い」と探偵も証言。泥沼劇にハマった〈年収1,500万円〉46歳エリート、妻に突きつけられた「慰謝料」と「財産分与」の額 (※写真はイメージです/PIXTA)

社内はリスクが高いと言っていたエリート夫だったが…

大手企業で部長職を務める大塚啓介さん(46歳・仮名)。年収は1,500万円を超え、湾岸エリアのタワーマンションに妻・美咲さん(44歳・仮名)と高校生の息子の3人暮らし。啓介さんは、社内でのリスク管理には人一倍敏感でした。

 

しかし、そんな彼が足元をすくわれたのは、最も警戒心が薄くなっていた場所――「地元の同窓会」だったといいます。

 

「昨年の年末に帰省した際、高校の同窓会があったんです。そこで以前交際していた同級生と再会して。お互い既婚者だし、住んでいる場所も離れている。『たまに会って愚痴をこぼすくらい、バレようがない』と高をくくっていました」

 

職場・家庭という「日常」から離れた相手。共通の知人もおらず、利害関係もない。啓介さんにとって、それは完璧な安全地帯でした。しかし、それこそが大きな落とし穴。

 

「最初は数ヵ月に一度の食事でした。でも、『昔の俺を知ってくれている』という安心感が、次第に依存に変わり……仕事や家庭で疲れたとき、彼女の前では安心できたんです」

 

気がつけば、有給を使い、出張と偽って彼女と旅行に行くような仲になっていました。

 

異変に気づいたのは妻の美咲さんです。夫のスマホに見知らぬ通知が増え、週末の「ゴルフ」の回数も不自然に多くなりました。そして何より、夫がどこか上の空で、家庭に心がないことを敏感に察知したのです。

 

決定打は、車のドライブレコーダーの履歴。そこには、ゴルフ場ではなく、彼女と訪れた温泉に行った際の会話が鮮明に残っていました。

 

「妻に証拠を突きつけられたとき、『単なる同級生だ』と言い訳しました。しかし妻は冷静でした。『他にも証拠はあるけれど』と」

 

啓介さんは離婚を回避しようとしましたが、美咲さんの意志は固く、弁護士を立てて離婚協議に入ることになりました。そこで啓介さんは代償があまりにも大きなことを知るのです。