(※写真はイメージです/PIXTA)
親孝行にもなるからと、50代でウエディングフォト
結婚25周年。いわゆる銀婚式。健司さんは、美佐子さんにひとつの提案をしたといいます。
「結婚25周年の銀婚式と称して、フォトウェディングのパンフレットを妻に見せました。妻は『ムリムリムリ、ごめん、変なことを言って』と拒否をしました。『50過ぎてドレスなんて、ただの罰ゲーム。二の腕も太いし、シワだらけだし、笑い者になるだけ』と」
健司さんは誰かに見せるためのものではなく、二人の記念として写真に残したい、子どもたちにも見せたくないなら見せなくてもいいと伝えました。ただ「よかったら、お義父さんには見せてあげたい」と付け加えたといいます。
「私の両親は亡くなっていて、お義母さんも亡くなっています。親はお義父さんだけなのですが、随分前に、酔っ払いながら『やっぱり美佐子の花嫁姿は見たかった』とぼやいていたことがあって。私なりの罪滅ぼしの意味も込めた提案でした」
「親孝行」という言葉に納得した美佐子さん。結局、ウエディングフォトに30万円、さらに「どうせ撮るなら綺麗に残したい」と、ウエディングエステにも通い、総額40万円ほどかかったといいます。
「エステはまったくの想定外だったし、50過ぎのウェディングフォトはコスプレのようだった」と笑う健司さん。それでも「多少の出費だったけれど、後悔を残すくらいなら写真を撮ってよかった」と概ね満足だといいます。
リクルートブライダル総研によると、結婚した20代〜40代で挙式や披露宴、写真撮影など、何かしらのウエディングイベントを実施した割合は77.8%。大野さん夫婦よりも若い40代夫婦の場合、挙式を行ったのが45.2%、披露宴を実施したのが39.9%、親族中心の食事会を開いたのが49.4%、写真撮影を行ったのが61.3%でした。過去5年間で実施率をみると、写真撮影のみが右肩上がり。「写真だけは残しておこう」という夫婦が増えているようです。
「お義父さんも喜んでくれたので良かったです。ウエディングフォトを撮ったことを知っているのは3人だけで『墓場まで持っていこう』と話しています。秘密を守るためにも、妻と別れることはできませんね(笑)」
[参考資料]
リクルートブライダル総研『結婚総合意識調査2024』