(※写真はイメージです/PIXTA)
娘の嘘がバレた瞬間
そして、とうとう妻が爆発する日がやってきます。
ある日、いつものように孫を置いて出ていったまま、娘はなかなか戻ってきません。心配した妻が孫に話しかけました。「ママ、遅いね。ちょっとお買い物に行ってくるっていってたのにね」すると孫はこういったのです。
「お買い物じゃないよ。ママ、エステだよ。ママがきれいだとパパも僕も幸せなんだって」
その言葉に、妻の表情が凍りつきました。娘が戻って来るや否や、妻の怒号が響き渡ります。
「あなた、孫を私たちに預けてエステに行っていたの? 私たちの生活も決して楽じゃありませんよ! これからまだまだ教育費もかかってくるんだから、エステに行く暇があったら働きに出なさいよ! うちは託児所じゃありませんよ。もう私たちに頼らないで!」
Aさんは「たしかに高校・大学になったときには援助はできないよなぁ」と、孫が高校生になったときの自分たちの年齢を思い、「自分たちは将来、老人ホームに入る資金の余裕があるのだろうか?」とふと不安になります。そこで、今後も続くセカンドライフについて考えてみることにしました。
老後は後半が難しい
筆者は「住宅ローンは後半が大変」とよくいっていますが、老後生活も同じです。どちらも将来の「みえないリスク」があるからです。
もうずいぶん昔の話になりますが、60代の男性が「現役時代に比べてそれほど食べなくなったし、着るものにも気を使いませんから、お金はかかりませんよ」といってきたことがあります。たしかに60代はまだまだ元気だし、孫にお金をかける余裕もあるでしょう。
ですが、70代、80代になったときはどうでしょうか? 人口減少で社会保障制度の問題が大きくなっていく日本では、将来の医療費負担がどれだけ大きくなるかはわかりません。人手不足などによる介護施設の利用料の値上がりや、そもそも入居できないリスクも考えられます。親の介護、配偶者の介護と介護が続いている家庭も増えています。介護期間もどれだけかかるかわかりません。
70代、80代になったときのことも想定して、定年前からマネープランを考えるようにしましょう。