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「一見良さそう」な物件の落とし穴
不動産投資の環境は常に変化し、物件を選ぶのは難しいもの。 不動産のプロは、どんな点を見て「買い」か「見送り」を決めているのでしょうか? アセットテクノロジー株式会社の調査によると、ベテランのプロでも、見た目は良い物件でも、詳しく調べると「購入しないほうがいい」と判断することが結構あるようです。
不動産売買や管理の経験が15年以上のプロ100人に聞いたところ、46.0%もの人が「この1年で、見た目は良いけど、よく調べたら買うのを止めたほうが良いとアドバイスしたことがある」と答えました。
では、どんなことが決め手になって「ストップ」をかけるのでしょうか? 一番多かった理由が「表面利回りは高いけど、実際の手残りが少ない」(41.3%)。 次に「建物の劣化が、書類に書いてあるより進んでいた」(39.1%)という答えが続きました。
広告で見る表面利回りは、満室の時の家賃収入を物件価格で割っただけの数字です。 実際には、管理費や修繕積立金、固定資産税、空室のリスク、急な修理費用など、色々お金がかかります。 プロは、それらを全部引いた「実際の手残り(実質利回り)」を厳しくチェックします。 書類上は問題なくても、実際に見に行くと、壁にヒビが入っていたり、防水が劣化していたりすることも多いです。 そういう「隠れたコスト」を見抜けるかどうかが、投資の成功を左右するといえるでしょう。
プロが避ける「管理が悪い」物件
さらに、プロが「絶対に買わない」と判断する物件の特徴をみてみましょう。 一番多かったのは「築15年以上で、大規模な修繕を一度もしていない」物件で、半数以上の51.0%が選びました(関連記事:『【ランキング】プロが絶対買わないと判断する物件の特徴・TOP10』)。
マンションなどの鉄筋コンクリートの建物は、普通、築12~15年くらいで最初の大規模修繕をすることが推奨されています。 築15年を過ぎても、そういう大規模な手入れがされていないということは、管理組合がちゃんと機能していないか、修繕積立金が足りない可能性があるということです。
2位は「管理組合の総会が3年以上開かれていない」(46.0%)。 管理組合は、マンションの所有者みんなでつくる、建物の管理を決める組織です。 その一番大事な会議である総会が開かれていないということは、予算も決められていないし、決算の報告もされていない、言ってみれば「無法地帯」に近い状態。 3位の「耐震診断書や構造計算書を出せない」(38%)というのも、安全性に関わる大きな問題です。