働く人であれば、誰もが楽しみにしている給料日。 物価高でいつもは節制している人でも、この日ばかりは財布の紐が緩むこともあるのでは。 そんな給料日後に目撃したこととは、どのようなものだったのでしょうか。 ある女性のケースをみていきます。
会社の給湯室で…〈月収33万円〉32歳同僚、給料日後の「まさかの奇行」に唖然。周囲もドン引きの極度な節約術 (※写真はイメージです/PIXTA)

給料日明けの月曜日、朝8時に見た衝撃的な光景

都内・中小企業に勤務する中村優子さん(32歳・仮名)。 数カ月前から同僚の行動に戸惑いを隠せないといいます。 その相手は、同い年の総務部に所属する斎藤桃子さん(32歳・仮名)。

 

「斎藤さんは、とにかく朝早いんです。私が出社する8時30分にはいつも席にいて、黙々と作業をしている。真面目な人だな、くらいにしか思っていませんでした」

 

しかし、ある給料日明けの月曜日の朝、中村さんは仕事の関係で、いつもより1時間ほど早く出社したそうです。 そこで衝撃的な光景を目撃します。

 

「朝7時半ごろで、フロアはまだ薄暗かったんですが、給湯室のほうから水の音が聞こえてきて。不思議に思って覗き込んだら、斎藤さんがシンクに頭を突っ込んで、髪を洗っていたんです」

 

唖然とする中村さんを尻目に、斎藤さんは備え付けのハンドソープを泡立て、慣れた手つきで頭を洗っています。 さすがにリンスは持参したものだったといいます。

 

「一瞬、何かの間違いかと思いました。でも、彼女はいつもの日常って感じで……。給料日後になぜ、会社の給湯室で髪を洗う必要があるのか。水道代やシャンプー代の節約だとしても、度が過ぎています。さすがに声をかけられませんでした」

 

斎藤さんの給与は(詳しくは聞けていないものの)33万円ほどで、特に生活に困窮している様子は見受けられないといいます。「むしろ大卒なので、それだけで給与は高いはず……」と中村さんはいいます。

 

その日以来、中村さんが斎藤さんを意識して見ていると、他にも異常なほどの節約術が目につくようになりました。

 

ランチは毎日、家から持ってきたタッパーに詰めた白米と、デスクに常備している「ふりかけ」のみ。 飲み物は、会社のウォーターサーバーからお湯や水を水筒に詰めているだけ。

 

「飲み会にも一切来ません。『そういうの、興味ないんで』とクールに断っていますが、どうやら1円も使いたくないのが本音のようです」

 

同僚のなかには斎藤さんの行動に気づいている人もいて、ドン引きされているとか。

 

「先日、勇気を出して聞いてみたんです。『斎藤さんって、何か大きな目標があってお金貯めてるんですか? 家を買うとか、起業するとか』って。そうしたら、『いえ、別に。ただ通帳の数字が増えるのが楽しいだけなんで。趣味みたいなものですよ』とニッコリしていました……」

 

「趣味」と言われてしまえばそれ以上は何も言えません。 しかし、と中村さんは続けます。

 

「趣味だとしても、給湯室で髪を洗う姿を思い出すと、どうしても彼女が幸せそうには見えないんです。むしろ余裕のない感じがして……。お金を貯めることが人生の目的になってしまっている気がします」