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物価高で申請者急増も約4割が「不採用」…広がる教育格差
あしなが育英会によると、2025年度のあしなが高校奨学金の申請者数は3,217人にのぼり、過去2番目の多さとなった。そのうち、過去最多となる1,878人が採用された一方で、約4割にあたる1,339人は支援を受けることができなかった。これには、返済義務のない給付型に制度が変更されたことや物価高騰などが重なり、申請者数が増えたことが背景にある。
日本では中間層の縮小が進み、「中流の消滅」「7人に1人が最下層」ともいわれている。特にひとり親世帯の貧困率は44.5%と突出しており、母子世帯では非正規雇用が多く、安定した収入を得ることが難しい状況が続いている。
さらに、教育格差の問題は学費を支払えるかどうかだけでは済まされない。キッズドアの調査によると、受験を控えた高校3年生が受ける模試の受験料も年々値上がりしており、月1回、年間10回ほど受ける場合、受験費用だけで総額7~8万円にのぼる。
定期的な模試が受けられなければ、受験生の可能性が大きく制限されてしまうなか、この出費は重い。子どもの貧困には、こうした“見えにくいハンディキャップ”が多く存在すると指摘されている。
生まれた環境によって進学の可否が左右される社会では、未来の人材の可能性が埋もれてしまう。これは個人の努力で解決できる問題ではなく、企業の採用難や日本全体の国力低下にもつながる構造的課題である。