定年後の地方移住は、多くの人が夢見る豊かなセカンドライフの選択肢です。しかし、その理想と現実は、時に大きく異なるもの。憧れの地で、予期せぬ文化や価値観の違いに戸惑うケースは少なくありません。では、移住を「成功」させるためには、一体何を知っておくべきなのでしょうか。
東京が恋しい…〈退職金2,300万円〉60歳定年男性、「沖縄移住」1カ月で号泣も、三線を片手に笑うワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

メリット・デメリットは表裏一体…移住成功の鍵とは

定年後は地方に移住――そんな夢を抱いている人は珍しくありません。

 

株式会社NEXERとエアドアが全国の男女1,000名を対象に行った『移住したい都府県に関するアンケート』によると、1位は「沖縄県」(13.0%)。「北海道」(12.4%)、「東京都」(8.9%)、「神奈川県」「静岡県」(同率4.8%)と続きました。沖縄を挙げた人の声に注目すると、「海が綺麗」(20代男性)、「南国気分を味わえる」(30代女性)、「一年中温かいし、陽気でまるで海外のように自由な感じがする」(40代女性)など。

 

沖縄の魅力として挙げられるのは、「自然が充実している」と「温暖な気候」。そして花粉症がひどい人からは「花粉が少ない」といった声も。一方、デメリットとしては聞こえてくるのは、「台風などの災害リスク」、「虫が多い」などといった、豊かな自然があるからこそのマイナス点。また現役世代であれば、「給与水準が低い」や「仕事の幅が限られる」といった仕事面のデメリットも。さらに見落としがちなのが、物流コストが高いことから「内地よりも物価は高め」という点も、生活するうえでは見逃せません。さらに悟さんが最初に苦しんだように「価値観や文化の違い」をデメリットとして挙げる人も。

 

どちらにせよ、メリットとデメリットは表裏一体。メリットに感じていたことも、あるときはデメリットになったり、その逆もしかり。移住の成功は、その土地の良し悪し両面を理解し、自身の価値観やライフスタイルと合うかを見極めることから始まります。

 

「私は東京の自宅を手放して沖縄に来ました。だから、どんなに東京が恋しくても戻ることはできない。もし叶うなら、元々住んでいた家を手放さず、持っていておいたほうがいい。撤退できる場所があるなら、私のように泣くようなことはないでしょうから(笑)」

 

[参考資料]

株式会社NEXERとエアドア『移住したい都府県に関するアンケート』