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平均的なサラリーマン世帯を揺るがす「私立歯学部」の学費
子どもの進学、特に医療系学部への進学は、平均的なサラリーマン世帯にとっては大きな負担です。
文部科学省『令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額』によると、私立大学歯学部の初年度納付金は平均約482万円。6年間の学費は2,000万円程度になります。これはあくまで平均であり、大学によっては3,000万円を超えることも珍しくありません。
一方、日本政策金融公庫『令和3年度 教育費負担の実態調査』を見ると、大学4年間の在学費用(授業料、通学費、塾代など)の平均は、私立文系で約690万円、私立理系でも約822万円。これらと比較すると、私立歯学部の学費がいかに負担であるかがわかります。
この高額な学費を賄うための現実的な選択肢として、多くの家庭が奨学金や教育ローンを検討しています。代表的なものが日本学生支援機構(JASSO)の奨学金。返済不要の「給付型」と、卒業後に返済が必要な「貸与型」がありますが、所得制限などもあり、誰もが利用できるわけではありません。特に貸与型を利用する場合、卒業時点で子ども自身が数百万円の「借金」を背負うことになるという事実は、親子でしっかりと認識しておく必要があります。
また、国の教育ローン(日本政策金融公庫)も選択肢のひとつです。JASSOの奨学金と併用することも可能で、比較的低い金利でまとまった資金を借り入れることができます。しかし、これもまた返済義務の生じる借入金であることに変わりはありません。
「結局、娘には奨学金を最大限利用してもらうことになりました。親としても、それしか選択肢はありませんでした。娘の夢を応援すると決めた以上、私も妻もこれまで以上に働く覚悟です」
[参考資料]
文部科学省『令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額』
日本政策金融公庫『令和3年度 教育費負担の実態調査』