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「最期を迎えたい場所」の親子のすれ違いを防ぐには
厚生労働省『令和4年度 人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査』によると、
という質問に対し、「詳しく話し合っている」、「一応話し合っている」と回答した人は合わせて29.9%でした。「話し合ったことがない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのが「話し合うきっかけがなかったから」(62.8%)でした。また、
という質問(複数回答)に対しては、「体や心の苦痛なく過ごせること」(60.2%)や「経済的な負担が少ないこと」(55.9%)よりも、「家族等の負担にならないこと」(71.6%)が大きく上回りました。人生の最期において、遺される側と遺す側の双方が、強く相手を思いやっていることがわかります。
お互いを大切に思うからこそ、本音を隠してしまう。内藤さん親子の場合も、親は子に負担をかけまいと「ありがとう」と言い、子は親に最高の環境をと願いました。その根底にあるのは、紛れもない愛情です。しかし、その優しさがすれ違いを生み、残された側に「もっとこうすれば良かった」という後悔を残してしまうのは、あまりにも悲しい現実です。
「もしもの話」は、つい避けてしまいがちです。しかし、元気なうちだからこそ、お互いの本当の気持ちを確かめ合う時間を持つことが大切です。「ありがとう」という感謝の言葉とともに、「本当はどうしたい?」と一歩踏み込んで聞いてみること。それが、後悔のないお別れと、穏やかな最期につながる第一歩になるのかもしれません。
[参考資料]
厚生労働省『令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査』