「日当たりの良い南向き」は、マンション選びの王道のはず。しかし、東京の湾岸エリアのタワーマンションに限っては、その常識が通用しないことが、実際の取引データから見えてきました。資産価値を大きく左右するのは、方角という単純な話ではないようです。
(※写真はイメージです/PIXTA)
結論…「レインボーブリッジ」はもはや資産
こうして3つの例を見ると、湾岸タワマンにはとても分かりやすい値段のルールがあることに気づきます。
・一番高いのは、レインボーブリッジが見える「南西向き」
・次に高いのは、海が見えて日当たりの良い「南・南東向き」
・例外的に、「北西向き」も浜離宮のような特別な緑と都心が見えれば高くなることがある
・それ以外の向きは、近くの建物で景色が遮られがちで、価格は控えめになる。
つまり、湾岸エリアで大事なのは方角そのものより、「何が見えて、その景色が将来もなくならないか」。これに尽きる、ということです。
湾岸エリアは、新しいバスシステム(東京BRT)が始まったり、道路が新しく開通したりと、まだまだ便利になっています。街の魅力もどんどん上がっていくでしょう。
ただ、街が変わるということは、新しい建物ができて、今の最高の景色がいつか見えなくなるかもしれない、ということ。景色が値段に直結するこのエリアでは、将来の街の変化を予測することが、とても大切になります。
パンフレットの数字やスペックだけでなく、「窓から見える景色」の本当の価値を理解して、それがこの先も続くのかを見極める。後悔しないマンション選びをするために、一番大切なことなのかもしれません。
[参考資料]