(画像はイメージです/PIXTA)

少額から手軽に投資ができるとして注目されているクラウドファンディング。特に「投資型クラウドファンディング」は、配当や利息といった収益が得られることから、個人投資家を中心に急速に広がりを見せています。しかし、「実際にどんな仕組みで収益が生まれているのか?」「利回りはどう計算されているのか?」など、基本的な疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では公認会計士・税理士の専門家目線から、投資型クラウドファンディングの仕組みをわかりやすく解説します。

利回りを正しく理解する3つのポイント

「投資型クラウドファンディング」の利回りは、案件ページなどで「想定利回り」として示されていますが、ここにはいくつか注意点があります。想定利回りはあくまで目安であり、最終的に投資家が得られる実際の収益とは乖離することも少なくありません。案件を比較するときは、数字だけで判断せず、計算方法や分配の仕組みをしっかり理解することが大切です。

①想定利回りと実績利回りの違い

想定利回りは「予定通り運用が進んだ場合の見込み」を示しています。借り手の返済遅延、物件売却価格の変動、運営会社の経費増などの要因により、実際に分配される金額が想定を下回るケースは珍しくありません。

 

そのため「想定利回り=保証されたリターン」ではないことを理解し、想定利回りが高い案件ほどリスクも大きい可能性がある点に注意しましょう。

 

②年利表示・単利vs複利

利回りは通常「年利」で表示されていますが、多くの投資型クラウドファンディングは「単利計算」を採用しています。つまり運用期間中に配当を再投資する仕組みはなく、自動的に複利効果が得られるわけではありません。

 

もし複利運用を目指すなら、投資家自身が分配金を再投資する必要があります。再投資を想定した場合と単利のままの場合で、長期的なリターンは大きく差が出ることを理解しましょう。
 

③表面利回りと実質利回り

 

表面利回り:税金や運営手数料を考慮しない、案件資料に記載される理論上の数字。


実質利回り:税金や運営手数料を差し引いた後の、最終的に投資家が受け取れる実際のリターン。

 

分配スケジュールや手数料体系は運営会社や案件ごとに大きく異なるため、利回りを比較するときは「表面」か「実質」かを必ず確認し、どの数字で比較しているかブレがないようにしましょう。

 

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